第6話
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まれてしまった。
囲まれてから既に15体以上のモンスターを倒しているにも拘らず、未だ残っているモンスターの数は倒した数の倍以上はいる。恐らく倒す度に壁からモンスターが生まれ、補充されているんだろう。まるで僕をここから逃がさんとばかりに……。
唯一の装備品であったギルド支給のナイフは既に折れてしまい、モンスターを利用した戦い方を続けているものの、それも長続きしそうにない。
魔石を破壊していないモンスターの死体を肉壁や肉武器として利用し振り回しているけど、肉武器ではモンスターの数を大して減らせない。
モンスターのドロップアイテムで唯一未加工でも刃物として使えそうなウォーシャドウの指刃がナイフ代わりとして使えるけど、それでも上層モンスターのドロップアイテム。未加工の状態では武器として長持ちしない。
正に絶体絶命。そんな状態の僕に予想外の援軍が現れた。ウォーシャドウに背後から襲われそうになった所をオレンジ色の服を着た濃紺の髪の女性に助けられたんだ。
「モンスターがいっぱい居るから何かと思ったら、こんな所で何しとるん?ベルやん」
「ア、アトゥイさん!?」
僕を助けてくれた女性は同じ派閥の先輩冒険者であるアトゥイ=シャッホロさんだった。
「アトゥイさんこそ、こんな所で何やってるんですか!?」
「ん?ん〜。実家で嫌なことあったから家出して、ストレス発散の為にモンハンしてるんぇ」
「も、モンハン?」
「モンスターハント―――モンスター狩りの略やぇ。ストレス堪った時は身体を動かすんが一番やから、ダンジョンの上層が丁度いい所なんよ」
「そ、そうなんですか」
「そうなんやぇ。ところでベルやんは軽鎧装も装備せんと何してるんぇ?」
「えっと……、アトゥイさんと同じくモンハンです」
「そうなんけ?」
「そうなんです」
「そうけ。なら丁度ええし、一緒にモンハンしよか」
「え?」
「ベルやん、服もボロボロで武器も壊したみたいやし、このまま放っといたりしたらウチが神様に怒られてまうから、一緒にモンスター狩りしよう」
アトゥイさんはそう言いながら背後から襲ってきたウォーシャドウを振り向くことなく、手に持っている刀で斬り裂いた。
「ウチの副武装で悪いけど、これを使うといいぇ」
そう言うや否や、アトゥイさんは左腰に装備していたナイフを抜き、僕に渡してきた。その刀身は空の様に青く、一般的な武装とは異なる特殊武装であることが素人目でも一目で分かった。
「それじゃあ、気が済むまでモンスター狩りをするぇ!」
「……はい!!」
僕はアトゥイさんに背中を任せ、そう返事すると特殊武装のナイフ
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