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Blue Rose
第二十九話 姉との再会その五

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「栄養を補給しないとね」
「そうしましょう、ただ」
「ただ?」
「メニュー八宝菜以外は主食なのよね」
「中国だとね」
「包がそうだからね」
 饅頭にしてもだ、パンと同じものとして考えられているのだ。
「炒飯は言うまでもなくて」
「麺や餃子もね」
「中国では主食なのよ」
「穀物だから」
 米も麦もだ。
「だからね」
「全部主食ね、学校でおうどんと親子丼食べていたら」
「中国から来てる子に言われたでしょ」
「ええ、変な組み合わせだって」
「お好み焼き定食とかは特にね」
「主食をおかずにするのって」
「私も言われたわ」
 優子にしてもだったのだ。
「おかしいってね」
「そう言われるわよね」
「中国の人からは」
「この食べ方は日本、それも西の方独特よ」
「関東じゃお好み焼き定食とか食べないから」
「焼きそば定食もね」
 こちらもだ、関東では。
「食べないから」
「あれ不思議よね」
「美味しいのにね」
「どうして食べないのかしら」
「それもまた文化でしょうね」
「炭水化物をおかずにしないことは」
「ええ、それもね」
 優子は妹に応えながらちゃんぽんの麺を口に入れた、そうしつつその麺をおかずにして炒飯を食べようと考えていた。
「やっぱりね」
「文化なのね」
「そうよ、それとね」
「それと?」
「夜は貴女のお部屋に泊まるけれど」
「ええ、晩御飯のことね」
「晩御飯の時には飲みましょう」
 ここでもにこりと笑ってだ、優子は妹に提案した。
「そうしましょう」
「八条町と違って長崎は未成年は飲めないわよ」
「そこは内緒よ」
 そうしてというのだ。
「飲めばいいのよ」
「そういうことなの」
「そう言う貴女も飲んでるでしょ」
「まあそれは」
「身体も落ち着いたし」
 完全に女の身体になったからだ。
「だから」
「元々好きだし」
 優子と同じくだ、優花も酒好きだ。二人共煙草は全く吸わないが酒は無類とまではいかないがかなり好きである。
「ワインとか」
「料理用に買って、と言えば説明がつくしね」
「ええ、だからね」
「買って飲んでるのね」
「時々でもね」
「そうよね、じゃあ今日は姉さんが買うから」
 それでというのだ。
「二人で飲みましょう」
「長崎のお酒を」
「そうしましょうね、それも楽しみだわ」
「一緒にお酒を飲むことも」
「そうよ」
 優花に笑顔で言った、見れば優花も食べているがその勢いは男であった時よりも穏やかなものになっている。
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