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Blue Rose
第二十九話 姉との再会その四

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「その人が考えだしてね」
「好きだったんだ」
「そうしたお料理よ」
「そうなのね」
「脂っこいけれどね」
「それでも美味しいわね」
「こうしてね」
 その濃厚な味を楽しみながらの言葉だ。
 白い包に挟まれている肉は皮付きでその皮の下に脂肪がありそこから肉になっている、全体的に褐色でかなり柔らかくなっている。
 その肉の濃厚な味が包に覆われ程よくなっている、そのコントラストも楽しみながら優子は言うのだった。
「あとね」
「これの後は」
「餃子も頼んでるし」
「炒飯もね」
「八宝菜も頼んでるし」 
 優子は笑って言った。
「お野菜もね、そしてね」
「ちゃんぽんもね」
「長崎に来たから」
 それならというのだ。
「これは忘れたら駄目よ」
「絶対にっていうのね」
「そうよ」
「そうなのね、ただね」
「ただ?」
「姉さん今日は特に食べるね」
 優花が言うのはこのことだった。
「この豚バラに餃子に炒飯に八宝菜にちゃんぽんって」
「大柄な男の人並ね」
「ええ、私も食べてるけれど」
「食べたいの、というか食欲が凄くあるの」
「今は」
「貴女を見てね」
 にこりと笑っての言葉だった。
「しかも朝早く起きてね」
「ここに来たから」
「余計になの、しかもあまりにも早く起きたから」
 それでとも言う優子だった。
「ランニングもしてたし」
「運動もしてて」
「それからシャワー浴びて神戸駅でパンを買って食べたけれど」
「ランニングの後ってすぐにお腹空くから」
 スポーツならば何でもだ、カロリーを消費した後は食事で補給をしてもそれがすぐに消費されてしまうのである。
「だからね」
「お腹ペコペコだったんだ」
「しかもお昼遅いから」
「余計になのね」
「ええ、もう食べたくて仕方なかったから」
「それだけ食べるのね」
「そうよ」
 大柄な成年男性と同じだけの量をというのだ。
「食べるわ、ただね」
「ただ?」
「八宝菜は貴女と二人でよ」
「一人前食べるの」
「餃子も二人前頼んだし」
 炒飯は優子だけだ。
「そうなったのよ」
「そうなのね」
「そう、じゃあいいわね」
「ええ、それじゃあいただきます」
 八宝菜もとだ、優花は姉に答えた。
「そうさせてもらうわね」
「お野菜も食べないとね」
「ちゃんぽんにもお野菜は一杯乗ってるけれどね」
「これもいいのよね」
 その長崎ちゃんぽんに乗っている、独特の太い麺と豚骨スープすら隠してしまっているだけの大量の野菜を見てだ、優花は微笑んで言った。
「お肉もあって」
「それが長崎ちゃんぽんよね」
「これを食べて」
 そしてとだ、優花はまた言った。
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