第二十九話 姉との再会その一
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第二十九話 姉との再会
サングラスをかけズボンを粋に穿いている女が長崎駅に降り立った、女はそのまま長崎駅の改札口を出ると。
そこに赤い上着とピンクのミニスカートの赤く長い髪の少女が待っていた、女はその少女のところに来て彼女に笑顔で言った。
「待ったかしら」
「正直に言うと少しね」
優花はにこりと笑って優子に答えた。
「そうしてたわ」
「御免なさいね」
「いいわ、それじゃあね」
「今からね」
「長崎回るのよね」
優花は優子に尋ねた。
「そうよね」
「ええ、一通り回ってね」
そしてというのだ。
「それでね」
「私のお部屋に泊まるのね」
「そうしましょう、ただね」
「ただ?」
「可愛いわね」
今の優花を見てだ、優子は微笑んで言った。
「とても」
「そうかしら」
「ええ、凄くね」
「そういえばよく言われるけれど」
「やっぱりね、それだけ奇麗だとね」
「奇麗って言われると」
「抵抗あるのね」
「やっぱりね」
どうしてもというのだった。
「ずっと言われたことがなかったから」
「男の子でも言われるでしょ」
「それはそうだけれど」
それでもとだ、優花は応えた。
「女の子になって」
「言われる様になったのね」
「そうなったの」
まさにというのだ。
「今も」
「女の子の特権よ」
「誰でも言われるの?」
「優花みたいな外見だとね」
ここは限定されていた。
「言われるわよ」
「可愛いって」
「これはいいことよ」
笑顔で言う優子だった、長崎の街に二人で出る前に。
「笑顔で受け入れていいわ、ただ」
「ただ?」
「それを鼻にかけたら駄目よ」
可愛いと言われる、このことをというのだ。
「わかってると思うけれど」
「そうよね、そうしたことを自慢したりしたらね」
「駄目よね」
「性格ブスになるから」
「性格が悪いことが一番よくないから」
「言われて笑顔になる位はいいの」
あくまでその程度はというのだ。
「優花位だとね、けれどね」
「鼻にかけるのはよくなくて」
「自慢はしないことよ、お顔は変わるから」
「年齢を重ねたら」
「それでね」
「よく言われることね」
「実際に変わるわ、性格も出るから」
その人それぞれのだ。
「人相ってあるわね」
「ええ、人相が悪いと」
「悪いお顔でしょ」
「確かにね」
そうなるとだ、優花も頷いた。
「そうね」
「そうしたものだからね、お顔は」
「その人の人生や性格がなのね」
「作っていくものだから」
「鼻にかけたりしたら」
「よくないわよ」
こう言うのだった。
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