第三百七十六話
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第三百七十六話 テレビを見つつ
美奈子はコップに牛乳を入れていた、しかしそれは一つではなく。
コップをもう一つ出していた、そうしてからテレビを観続けている華奈子に尋ねた。
「牛乳飲む?」
「入れてくれるの?」
「コップもう一つ出してるから」
「それじゃあ」
「飲むのね」
「有り難う」
華奈子は美奈子に顔を向けて礼を述べた。
「それじゃあ一緒に飲みましょう」
「今から入れるから」
実際にね、美奈子はもう一つのコップに牛乳を注ぎ込んだ。そうしてから華奈子のいるテーブルにコップ達を持って行って。
華奈子の横にそのうちの一つを置いてだ、そのうえでまた言った。
「はい、どうぞ」
「じゃあ今から」
「一緒に飲みながらね」
そうしてというのだ。
「テレビ観ましょう」
「それじゃあね、ただ」
美奈子はテーブルの自分の席に座ってからこうも言った。
「博士のやることって」
「いつも通り暴れてるけれど」
「そのいつもがね」
「破天荒過ぎてね」
「もうあれね」
そのあれはというと。
「怪獣映画ね」
「そのものね」
「本当にね」
実際にというのだ。
「そんな感じね」
「そうよね、博士が怪獣で」
「好き勝手暴れて」
「それで飽きたらね」
そうしたらだ、常に。
「帰るのよね」
「後に残るのは廃墟だけ」
「やっつけるヒーローがいない怪獣映画ね」
「日本だとね」
「自衛隊の人達が頑張ってくれるけれど」
尚博士は完全に災害扱いになっている、いきなり暴れるからだ。
「あの国だと」
「変な行進をする軍隊も」
二人の間ではこれで通っている、とにかく変な行進をすることはパレードで日本でもいつも放送されているからだ。
「役に立たないし」
「自衛隊の方が強いのよね」
「そうみたいね」
「だから退けられるのね」
「そうみたいね」
二人でだ、牛乳を飲みつつ話す。
そして一杯目を飲んだ後でだ、今度は華奈子が動いて冷蔵庫の方に向かった。そして牛乳をパックごと持って来た。
第三百七十六話 完
2016・9・8
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