暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第六話 疾走 ―スピードレーシング―
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と破壊がルールで禁止されてたりするから」

「ふーん。便利なのかと思ったけど、意外と属性持ちってのもいろいろ大変なんだな」

 自分も紗那も、属性のあるデバイスを使うわけではない。属性持ちは相手にするだけだったので大層やりやすいのかと思っていたのだが、どうやら利点と欠点の両方があるらしい。ステージに合わせて特性を考えなければならないとは、と疾風は少々意外に思った。それに対して源蔵は肩をすくめる。

「ま、便利なところがあれば不便なところもあるってのは常だわな」

「そうですね。でもその辺りも含めて気に入ってますから」

「……それもそうか。ともあれ今日は楽しかったぜ、麻耶ちゃん。また遊ぼうな」

 そう疾風が麻耶に笑うと、彼女も頷き、続いて紗那に視線を移した。

「……はい。私も楽しかったです、日向さん。さー姉も。また一緒に来ようね?」

「うん、いいよ」

 と、話している時。疾風はそうそう、と麻耶に向かって言った。

「今後は俺のこと、下の名前で呼んでいいし敬語も抜いていいぜ? その方が楽だろうし紗那もそう呼んでることだし、さ」

「え……いいんですか?」

「あぁ。今後も一緒に遊ぶんだし、俺だけ麻耶ちゃんって名前呼びはなんか変だろ」

「じゃあ……」

 疾風の言葉に少し驚いた後、考え込んだ麻耶。そして、何かを思いついたらしく悪戯っぽく疾風に向き直った。

「……疾兄(はやにい)、って呼ばせてもらうね」

「こ、こりゃまた予想外な……」

「ま、麻耶ちゃん? いくらなんでもそれは……」

「あぁ、別にいいぜ。俺も妹ができたみたいで嬉しいしさ」

 さすがに面食らった疾風だったが別に気を悪くしたわけではなかったので、麻耶の言葉を聞いて彼女を窘めようとした紗那を止めた。彼が麻耶の頭を撫でると彼女は嬉しそうにしており、それを見て、まぁ本人がいいならいいか、と紗那も嘆息した。が、疾風の一言がまた一悶着起こす。

「どうせだしどうだ、この際ゲンさんもなんか呼び方考えてみたら」

「そうだね……疾兄が疾兄なら、源蔵さんは……ゲン……(じい)?」

「ぶっ!?」

 彼女たちのやり取りをただ微笑ましげに聞いていた源蔵だったが、麻耶の一言で口にしていた缶入り緑茶を思い切り吹いてむせた。疾風は疾風で思い切り噴き出し、紗那はこらこら、と慌てた。

「ゴッホ! じ……!? おいおい、“おじさん”呼ばわりされるのはまだしも“爺さん”扱いはさすがに勘弁だぜ!?」

「でもまあ、確かに年代的に“兄”って感じじゃないわなぁゲンさんは……小学生から見れば爺さんだろうし、それでもいいんじゃね?」

「ちょ、ちょっと疾風まで……!?」

 撤回してもらおうと必死な源蔵、それを見て
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