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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第六話 疾走 ―スピードレーシング―
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に叩きつけた。業火によって海面は沸騰、蒸発し、その蒸発した水面の勢いを体に受け、源蔵はすさまじい勢いで加速する。そして、それを利用してなんと紗那に追いついた。背後から凄まじい勢いで迫ってきた源蔵の気配を感じて、紗那は振り返って驚く。
「あの距離か、ら!?」
「うまくいったな!」
『なるほど、これは素晴らしい機転! 海面に叩きつけた炎で蒸気を発生させ、それを利用して加速するとは……ステージの特性を見事に生かした戦術と言えるでしょう!』
そんな花梨のアナウンスが響く中、源蔵は紗那が驚いて対応が遅れた一瞬の隙を見逃さず、薙刀スキル“紅蓮撃”で上から刃を水面に叩きつける。衝撃で海面を転がっていきながらも苦し紛れに彼女が放った苦無を弾きつつ、源蔵は最後のチェックポイントを通過した。
「よーし、今のうちだな!
焔蛇
(
えんじゃ
)
!」
【よっしゃあ! 盛大に行くぜ!】
この機を逃すまいと、源蔵はニヤリと笑ってデバイスに激しい炎を纏わせ、思い切り足元の海面に向かって振り下ろした。炎によって海面が蒸発し、それによって噴出した大量の水蒸気を受けて源蔵は加速し、バトンタッチ地点へと凄まじい速さですっ飛んで行く。……本人も制御できないほど。
「……ぉおわあああああ!? 避けてくれ疾坊ぅうううう!?」
「ちょ!? ゲンさん勢い付け過ぎぃいいい!?」
とてつもない速度で飛んできた源蔵は減速が間に合わず、バトンタッチ地点まで飛来し……
ゴッツン!!!
「「痛ってぇええええ!!!」」
さすがの疾風もそんな直前での回避は間に合わず、どこぞの童謡のアリように頭と頭がこっつんこ(そんな生易しいレベルではないが)した。
【見事な頭突きだな……】
「痛そう……」
【マ、マスター……大丈夫ですか……?】
『あー……せっかく先にチェックポイントに到達したのに、男性陣チームが激突の痛みで呻いております……おーい、はやく行かないとアドバンテージなくなりますよー?』
「わ、わーってます……ゲンさん、行ってくるぜ……」
「おう……頼んだ……」
対戦相手とデバイスには心配され、実況には呆れられるという散々な状況の中、痛みに呻きつつも疾風はチェックポイント向けて飛行し始めた。……ちなみに源蔵はそれを見送った直後、頭を抱えて蹲った。
「ごめんね、麻耶ちゃん。あとお願い」
「任しといてさー姉」
源蔵に少し遅れ、タッチで交代した二人。そのまま飛び去る……かと思いきや、麻耶はその場でメカニカルな見た目の弓型デバイスを構え、先行する疾風を見据えた。右手を弓に据えると黄色い魔力の矢が出現し、麻耶はそれを引き絞る。
「さて……速度で勝てる
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