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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十七話 過去の罪
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……〉

そして、全は短刀を握りしめ、その刃をリインに突き立てる。

そこで、映像が終わった。

『これが、私たちと全の過去です』

「はやてちゃん……」

これまで黙って黙々と映像を見ていたリインフォースUが初めて声を出す。

聞かれた本人、はやては顔を俯かせたままだ。

『もう、思い出しているんじゃないですか?主はやて』

「っ……そ、そうやな。確かに思い出したわ……」

そう言いながら、はやては一歩。また一歩と全から遠ざかる。

「はやて?何で遠ざかって」

「こんどいて!」

「っ!」

はやては全を拒絶した。しかし、それは全が嫌いだからではない。むしろ、過去の事を思い出し、全の事を好意的に見れるようになっていた。

しかし、だからこそはやては拒絶する。自分なんかが全の近くにいてはいけないと思ったから。

「私、全君の事忘れてた……しかも、自分は勝手に絶望して、全君や全君の両親に全ての責務を背負わせて……私だけ、のうのうと……」

「それは違う。俺たちは俺たちの意思で選んだ選択だ。むしろお前の絶望を少しでも肩代わり出きなかったんだ。それが悔しかった」

「違う!全君は何も悪ぅない!!全部私が!」

「だから!!!」

全は強引にはやての腕を掴み、自身に引き寄せ優しく抱きしめる。

「お前は何も気にしなくてもいいんだよ。俺が自分の意思で選んだ選択だ。そこに後悔はない。だから、はやても何も気にするな。むしろ、記憶が戻ってくれてよかった」

「全、君……ごめん、本当に……」

「いいさ。もう……記憶が戻ってくれたんならそれで……」

こうして、はやての記憶は戻り、また一つ全の絆が取り戻された。



しかし、実は全達に見せてはいないがリインフォースは橘秀二と橘アトレがどうやってはやての暴走した魔力を封印したのか知っていた。

だが、疑問が残っていた為、見せずにいたのだ。

『(あの時、彼らは当然のように()()を口にしていた。ならばなぜ、全がその事を知らない?知っている筈なのに……)』

その映像を見ていた時を思い出す。

誰もいない無人世界。暴走する魔力。そんな状況にあって二人は少しも動揺せず、どちらからともなく手を握り合う。

そして、告げる。その名を。

『『我は、()()()()()()――――――』』と。
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