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「…え?」
「ずっとこうしていたいと思ったんだ。明日からはまた、俺たちは離れ離れだから」
俺の言葉に、ベガはスッと表情を失った。おそらくは心の中で俺の言葉を反芻していたのだろう。
手を握りなおすとベガは我に返り、切なげに俺を見上げた。
さっきまでとは違う表情だ。瞬きを繰り返して、潤んだ瞳に何度もまつ毛が被さった。
こわばった頬を撫で、落ちた前髪を耳にかけてやると、ベガは頬を染めて唇を震わせた。
その時、俺と同じ質の感情が、ベガの中にもちゃんと存在してると思った。
だけどそれだけじゃ無かった。
俺をまっすぐ見上げてベガは言った。
「また明日から逢えなくなっちゃうなら、2人でガラッシアから出て行こうよ。僕は王子なんてやめて、アルタイルと一緒に暮らしたいよ」
思い詰めて、泣きだしそうな瞳をしていた。
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