コンフルエンス
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合いはおろか、仕事や任務などでひと時も肩の力が抜けない場面に陥る事がままある。私達は闇の書の罪を背負い、かつ主はやてはファーヴニル事変の際にもらった称号を拒否したからか、恨みや妬みを向けられることがしばしばあってな……時には回りくどい手段を講じられて四面楚歌な状況に追い込まれた事もあった」
「それでも亡き兄上殿に誓った以上、膝を屈する訳にはいかなかった。主もそれがわかっておられるから人一倍努力を続け、困難な状況になろうとも決して諦める事は無かった。何度も苦境を越えていくと、徐々にだが我らを敵視していた者達にも主の誠意と意思の強さが認められていった。しかし……」
「アタシがなのはを守り抜けなかった4ヶ月前のあの日から……はやてはあんまし笑わなくなった。アタシも後悔に押し潰されて、自分の身を省みない無茶を頻繁にやらかすようになった。皆慰めてくれたけど、アタシは自分が許せなかった。それは、はやても同じだったんだ」
「ヴィータちゃんが前線でどれだけ傷つこうと構わなかったように、はやてちゃんも任務や鍛錬、情報収集で毎日身体を酷使していた……それこそ睡眠時間を削ってでもね。皆の前では見せないように努めてたけど、はやてちゃんはなのはちゃんを含む皆を守るという意思を貫き通せなかった事をずっと後悔していたの。その無力感は、サバタさんが消えてしまった時に匹敵するぐらいだと思うわ」
「その無力感ははやてちゃんに“仮面”を被せました。どれだけ辛くて泣きたくても、悲しくて嘆きたくても、それが弱みにならないように周りから隠す仮面……それは家族である私達の前ですら外してくれない、強固な接着剤で無理やり作ったみたいな表情でした。でも、これまでずっと外さなかったその仮面は、マキナさんと会えた途端に外れました。被った所ですぐに見破られるとわかっているから、はやてちゃんも“素”に戻れたんです。なのでああいったやり取りが出来るのは、マキナさんなら全てをさらけ出してもいいと信頼してるからなんですよ。できうる事ならマキナさんには、はやてちゃんの傍にいてほしいとさえ思うです」
「おいバッテンチビ、そんな事を姉御に言ったら絶対ブチキレるぞ。あんたらみたいな知人連中がいるから表に出さないだけで、姉御の管理局に対する恨みは消えてなんかいないんだからな」
アギトのツッコミはともかく、4ヶ月前からあまり知らなかったはやての真実……騎士達から語られたそれになのはは責任を感じ、フェイトも友達として支えていたつもりだったが、はやての境遇を知らなかった事に心を痛めていた。そして騎士達も、はやての心が疲弊していくのを傍にいながら支えきれなかった事を悔やんでいた。だからこそ、マキナの存在は彼女達にとって一つの救いでもあった。
そんな事を話してるうちに料理が完成し、食卓に並べられていく
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