コンフルエンス
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けど、どちらにも譲れないものがあるので相当長引くでしょうね」
フェイトとリインから管理局側の事情を説明してもらった事で、なのはとジャンゴはこの問題の複雑さを改めて実感した。この戦争が止まった所で、原因が取り除かれた訳ではないのだ。
フェンサリルから見れば管理局が横暴な態度で一方的にエネルギー資源を奪おうとした事に反感を抱くのは至極当然で、一見すればフェンサリル側に義がある。それは管理局の真実を目の当たりにして、“裏”と戦い続けてきたなのは達もそう思っている。実際、こちら側で戦ってこなければスカルフェイスの計画に気付く事もなく、知らぬ間に世界が終わっていたのは明白だった。
しかし管理局も治安維持組織としてのプライドがあり、早急に管理世界のエネルギー資源不足を解決しなければ広範囲で経済が滞り、財政難などで大量の失業者を生み出してしまう。そうなれば彼らが生きるために犯罪行為に手を染める羽目になって、最悪治安の悪化を招いてしまう事情があった。出会い頭にやらかした交渉人を擁護する訳ではないが、要するに管理局側も焦っていた訳だ。
「地球だろうが次元世界だろうが、資源が有限って事に変わりは無いんよなぁ〜」
「魔導技術でも永久機関は作れないんだから、そればかりはどうしようもないね」
皿洗いを終えたはやてとマキナが話に合流し、率直な意見を述べる。
「魔力の性質は熱に割と酷似している。例えば熱力学第一法則。これはエネルギー保存則としても有名で、『内部エネルギーの増加量は、与えた熱量と加えた仕事と一致する』。まあ要するに、全体のエネルギーの総量は変わらないってこと。次に熱力学第二法則。こっちの説明は難しいから簡単に言うと、『熱はそれ単体で低温から高温へ移動することは不可能』。わかりやすいイメージで言うなら、あったかい飲み物をそのまま放置したら当然冷めちゃうけど、逆に飲み物をあったかい状態に戻したり、空気をより冷やすには外部から何らかの仕事が必要ってわけ」
「永久機関を作ろうと思ったら、これらの法則を越えなあかんねん。んで、これを魔力で言い表せば、外的要因が何もない場所でいきなり魔力が集まって天然の魔導炉になったりしないし、ましてや砲撃が勝手に飛ぶわけがないって話になるんよ。もしこれがあり得てしもうたら、なのはちゃんのSLBが世界中の至る所でいきなりブッパされる訳や。……うん、一瞬で世界終わるわ〜」
「ちょっとそれどういう意味かな!?」
いきなり自分をネタにされて、たまらずツッコミを入れるなのは。しかしこの場にいる友人達、特にフェイトは神妙な表情で深く頷いていた。なお、冷や汗を流しながら身体が小刻みに震えてるのはご愛嬌。
「話を戻すけど、今の所管理世界はオイルショックみたく、魔導結晶などのエネルギー資源の価値が一気に
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