430部分:第五十九話 盆地での戦いその五
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第五十九話 盆地での戦いその五
「インプ達の仇を取らせてもらう」
「覚悟はいいわね」
「三人か。違うな」
「そうだ、四人だ」
今度名乗りを挙げてきたのはヴェガであった。
「我等四人でだ。いいな」
「いいだろう。来るのだ」
四人を見上げたまま返した言葉だった。
「このミロも相手をしてやろう」
「行くぞ」
「それとも貴様から来るつもりか」
「そうだな。まとめて来るといい」
ミロはここでも言った。
「まとめてな」
「それではだ。四人一度でだ」
「行かせてもらうぞ」
「四人ではないな」
だがミロは不意にこんなことを言ったのだった。
「貴様等はな」
「!?どういうことだ?」
フォルスは今のミロの言葉に眉を顰めさせた。
「我等が四人ではないだと?」
「一体何を言うのだ?」
「おかしなことを言う」
アーキスとヴェガも今のミロの言葉を聞いていぶかしんでいた。どうしてもわからないといったものをその顔にそのまま出しているのだった。
「我等は四人だ」
「それで言うのか」
「しかし」
ヴェーヌはこう言った。
「このスコーピオン、伊達も酔狂も見せる男ではない」
「では何だというのだ?」
「それはわからないわ」
フォルスの問いにも怪訝な顔で首を捻るだけだった。
「私にも」
「四人ではないだと」
「その通りだ」
ミロはあくまでそうだと主張するのだった。
「それでも相手をしようというのだ」
「何が言いたいのかはわからんがだ」
フォルスはとりあえず話を打ち切ったのだった。
「スコーピオンよ、いいな」
「来るというのだな」
「そうだ」
まさにそうだというのだった。
「覚悟するがいい」
「まずはスコーピオンを倒した」
「他の聖闘士達も倒す」
「そうしてやろう」
三人もフォルスに続く。そのうえでそれぞれの場所で身構えるのだった。
四人の全身に赤い鮮血を思わせる色の小宇宙が宿る。そして。
「行くぞ!」
「死ぬのだスコーピオン!」
四人は一斉にミロに向かって集中攻撃を浴びせてきた。その拳がミロに殺到する。
「この拳を受けてだ!」
「死ぬがいい!」
「来たか」
ミロはそのままの体勢で彼等と対している。
その彼に四人の狂闘士達の無数の拳が突き刺さろうとする。ミロは相変わらず身動き一つしない。聖闘士達はそれを見て思わず叫んだ。
「ミロ様!」
「そのままでは!」
やられる、そう思っての言葉である。
「早くお防ぎ下さい!」
「それかかわされるか!」
どちらかをしなければというのである。しかしそれでもミロは動かない。
そのミロの身体を今拳が貫く。かに見えた。
だがそうはならなかった。その拳はミロの身体をすり抜けるのだった。透明になったミ
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