43部分:第五話 デスマスク出陣その二
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第五話 デスマスク出陣その二
「そなたがデスマスクのフォローに当たれ」
「私がですか」
「御前達二人には八つの封印にそれぞれ向かう黄金聖闘士達のサポートを頼むのだ」
「では我々の任務は」
「八大公だけではない。彼等にはあのエリスがいる」
シオンは彼女の力を恐れていた。復讐の女神である彼女の力を。
「だからだ。用心に用心を重ねておくのだ」
「はっ、それでは」
「その様に」
「では行くのだ、サガよ」
あらためてサガに指示を出す。
「デスマスクの影となり戦え。よいな」
「畏まりました」
こうしてサガの出陣も決まった。だがそれはデスマスクには伝えられなかった。デスマスクは白銀及び青銅の聖闘士達を何人か連れてライプチヒに向かった。そうして空港を降り立ちそこに来たのだった。
かつて東ドイツにあった静かな街だ。繁栄はしているが穏やかで至る所にワーグナーやゲーテの記念碑がある。今デスマスク達はライプチヒ大学の前にいた。
「そうそう、ここですよ」
クロウのジャミアンが大学の校内を指差しながらデスマスクに語る。
「ここにゲーテがね」
「ゲーテ?ああ、あいつか」
デスマスクはそれを聞いて何かを知っているかのように応えた。
「俺の国にしょっちゅう来ていた奴か」
「御存知だったんですか」
「イタリアにはしょっちゅうドイツ人が来るんだよ」
デスマスクはこうもジャミアンに述べる。
「それこそ昔からな」
「そういえばそうですね」
それに他の者も応える。そこにはムスカのディオもいる。
「イタリアに来るドイツ人って多いですよね」
「食い物が美味いし気候もいいからな」
さりげなく祖国の自慢をするデスマスクだった。
「だからだな。それで」
「そうですか、やっぱり」
「ここ、寒いだろ」
デスマスクは顔を顰めさせて一同に言ってきた。
「こんな寒い国にいれば自然と暖かいところが恋しくなるさ」
「それがイタリア」
「ワーグナーだって度々来ていたよな」
今度はワーグナーの名前が出る。ライプチヒ出身なのだ。
「そうでした、ワーグナーも」
「何かっていうとイタリアに来ていたが。で、ここにゲーテが通っていたのかよ」
「そうですよ」
ジャミアンはそれをまた告げる。
「この大学に」
「まあかなり古そうな大学だな」
デスマスクは大学の中を覗いて述べる。古い建物が立ち並びそれだけで絵画になるような見事な風景だ。特に幾つかの建物がデスマスクの目に入った。彼等それ等を見て呟く。
「まあ悪くはないな」
「ですか」
「ああ。それはそうと腹が減らねえか?」
彼は今度は食事について言ってきた。
「腹がですか」
「そうだよ。ここに来てから何も食ってねえだろ」
「確かに」
「だからだよ」
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