秋葉原の今を駆ける
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本郷は秋葉原ライフを満喫していた。
適度に働き、どっぷりと二次元コンテンツを満喫し、順風満帆なオタクライ
フをすごしていた。
明「萌え最高!!!!」
どぉーーーーん
秋葉原にこだまする爆発音。
それはひとつの戦いの始まりであった。
本郷は駆ける。中央通りを猛烈な勢いで駆け抜ける。
そしてたどりつくそこは新しく建て替えられたラジオ会館であった。
ライトオタクA「うわぁぁぁあぁ!!」
ライトオタクB「あいつらやべぇよ」
ライトオタクC「気持ち悪い奴らだ」
本郷はその流れに逆行しながら、ラジオ会館内へ入っていく。
止まってしまったエスカレーター。
歩いていくと風切り音とともに耳元を掠めた。
???「なに、避けただと」
明「何だ……」
本郷は感じていた。昔こんな戦いをしていた記憶がよみがえる。
???「たかがヌルオタがっ!」
相手はトイガンを乱射する、弾は収束し、本郷へ吸い込まれていく。
しかし、本郷はおもちゃ屋へすべり込み難を逃れる。
”あの弾にあたっては危ない”
明「いや、この世界にはないはず……あれは秋葉原を……なんだ、思い出せ
ない」
本郷の頭の中は混乱していた。歴史の違い、認識の相違、そして本来あるは
ずのないものが存在している。
彼の頭は重たくなる。
明「くそっ……頭が重い」
本郷は謎の頭痛を抱えながら、負ってくる敵を回避する。
そして、本郷は目にしたものは。
精巧につくられたレジンキット、作者の魂が入っているものであろう。
それがトイガンがあたるだけで粉となったのだ。
明「これは……もう少しで思い出せる……」
本郷は逃げ続ける。エスカレータを駆け上がるたび、弾が身体を掠める。
全身の倦怠感、オタクである必要性、生きる意味。全てが消えていく。
明「心が……砕けていっている」
トイガンのBB弾であるから少々痛いくらい。肉体的にはぴんぴんしている。
だが、本郷の心はどんどん磨耗していく。
???「ちょっとは骨のあるオタクかと思ったが、なんだただのチキンか!
」
本郷はとっさに棒を掴み相手の足元に投げる。
???「うぉっ……」
足を縺れさせて転倒する。
本郷はすかさず相手のトイガンを手に取り、その銃口を向けた。
明「命乞いの時間だ」
???「あ、う、撃たないでくれ!」
明「少し痛いだけだろう」
???「……オタクでいられなくなる」
明「どういうことだ?」
???「その弾はオタクの……」
たたたたっ。
本郷はとっさに物陰に潜む。
乾いた音が誰もいないフロアの中に反響し、男の悲鳴が聞こえた。
???「やめてくれぇ……! 俺は……オタクで……オタクでいたいんだぁ
ぁあああああ!!!!」
銃声が止み、本郷は物陰から出て
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