sts 35 「星光と聖王」
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
私はヴィータちゃんと一緒にゆりかご内部に突入した。
ただしゆりかご内部にはAMFが発生しており、私達には負荷が掛かる状態にある。AMF状況下での魔法使用はお互いに可能ではあるけど、それでも必要以上に魔法を使っていては長くは戦えないだろう。
にも関わらず、ヴィータちゃんは私の魔力を温存させるために率先して遭遇するガジェット達を粉砕してくれた。ポジションで言えばセンターなどの魔力を温存させるのも前衛の仕事ではあるけど、無茶はしてほしくない。
しかし、ゆりかご内部を進む内に聖王の玉座と駆動炉が真逆の方向にあるのが判明した。
突入隊の編成にはまだ40分以上掛かると報告が入ったため、残り時間も考えて私とヴィータちゃんが分かれて対応することになったのだ。
「ヴィータちゃん……」
ゆりかご内部を飛行して進みながら彼女の身を案じる。
駆動炉はゆりかごのエンジンに等しい。それだけに敵も必死に防衛してくるはず。もしかするとこっちよりも何倍も厳しい戦いを余儀なくされるかもしれない。
なのにヴィータちゃんは嫌な顔をするどころか笑いながら駆動炉の破壊を引き受けてくれた。自分とグラーフアイゼンは破壊の方が得意だからって……。
でもきっとそれだけじゃない。私がヴィヴィオの保護責任者で……誰よりも本当はヴィヴィオのことを心配しているのを分かっているから。だから私をヴィヴィオの方へ行かせてくれたんだ。
「……必ず……私がヴィヴィオを連れて帰る」
玉座に向かって飛行しているとそれを邪魔するようにガジェットV型が続々と現れる。
しかし、今の私は全リミッターが外れて本来の能力に戻っている。また限定解除のフルドライブモード《エクシード》も発動させた状態だ。強力な射撃と大威力砲撃に特化させたこのモードの前では通常のガジェットより強いAMFを持つガジェットV型でも敵ではない。
その証拠に私は魔力消費の激しい砲撃は使用せず魔力弾のみでガジェット達を撃ち砕いていく。先に進むにつれて次々と現れるガジェット達を破壊しながら進んでいると、相棒であるレイジングハートからもうすぐ玉座であるという報告を受けた。
――もうすぐだ。ヴィヴィオ待ってて、今すぐ私が助けに行くから!
気持ちを引き締めながら曲がり角を左折すると、前方に砲撃を敢行しようとしている戦闘機人の姿が見えた。手にしている武装と砲撃から察するに前にヘリを狙撃した子に違いない。私はすぐさま制止を掛けながらレイジングハートを構える。
「2……1……」
「エクセリオン――」
「ゼロ!」
「――バスター!」
レイジングハートから放たれる桃色の閃光と敵が放ってきた真紅の閃光は、空間を飲み込むようにしながら突き進み衝突する。
砲撃の威力はほぼ互角……このまま撃ち合ってても無
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ