sts 35 「星光と聖王」
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、室内に漂っていた七色の光はヴィヴィオへと集まっていく。爆風にも衝撃が室内を駆け巡った後、私の目に飛び込んできたのは七色の光に包まれたヴィヴィオの姿。圧倒的な力に包まれているからなのか、どんなに叫んでも私の声は聞こえていないように思える。
包み込んでいた光が闇色に変わったかと思うとヴィヴィオが再び苦しみ始める。だがしかし、その姿は強烈な七色の光で覆い隠され……再びヴィヴィオが姿を現した時にはそれはもう先ほどまでのヴィヴィオではなかった。
圧倒的な魔力を放つ黒衣の少女。年齢は17歳前後といったところか。けれどサイドポニーに纏められた金色の髪と、緑と赤のオッドアイは私の知るヴィヴィオと同じものだ。
「あなたは……ヴィヴィオのママをどこかに攫った」
「ヴィヴィオ違うよ、私だよ。なのはママだよ!」
「――っ!? 違う……あなたなんてママじゃない!」
憎悪にも等しい鋭い瞳と共に放たれた言葉に私の心はズタズタに斬り裂かれる。
確かに私はヴィヴィオの本当のママじゃない。だけど……それでも私はヴィヴィオのことを娘のように思ってる。私のように危険な仕事をする人間じゃなく安全な仕事をしてる人に……ヴィヴィオを引き取ってくれる人を見つけるとか周囲には言いながらも娘のように思うようになってしまっていた。
「ヴィヴィオのママを……返して!」
「――ヴィヴィオ!」
『フフ、その子を止めることが出来たらこのゆりかごも止まるかもしれませんね〜』
ヴィヴィオは聖王のゆりかごを起動するための鍵のような存在。そのため、あの戦闘機人が言っていることは十分に考えられる。
だけど……あの憎たらしい狡猾な笑み。心の中で何を考えているか分からない。彼女を放っておくのは危険だ。
しかし、どこに居るのか不明だ。おそらくゆりかご内部には居るのだろうが、ゆりかごの大きさは数キロメートルにも及ぶ。当てずっぽうで探すのは時間の無駄だ。故に私はここに来るまで散布しておいたワイドエリアサーチをフル稼働で発動させておくことにした。
『さあ……親子で仲良く殺し合いを』
「ママを……返して!」
「っ――ブラスターリミット2!」
ヴィヴィオの纏う圧倒的な魔力に対抗するためにブラスターシステムをブラスター2直前まで引き上げる。
攻撃なんかしたくない。だけどこのままじゃ話し合うこともできない。どうにかして動きを封じないと。
そう考えた私は魔力弾で牽制しながらバインドを掛けられる隙を窺う。しかし、ヴィヴィオの動きは私の予想を遥かに超えていた。
「そんなもので……!」
あっさりと魔力弾を避けたヴィヴィオは七色の魔力弾を次々と放つ。その威力はリミットブレイク状態にある私と同等……いや今の私以上の威力を秘めていた。
移動速度も速い……それにあ
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