sts 35 「星光と聖王」
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私を出迎えたのはヴィヴィオではなく戦闘機人。緊張感のない声で話しかけてきたけど、表情を見る限り狡猾なものを感じる。何を考えているか分からないだけに油断はできない。私はいつでも攻撃できるようにレイジングハートの先端を彼女に向ける。
「こんなところまで無駄足ごくろうさま〜」
「く……」
「フフ、各地であなたのお仲間は大変なことになってますよ」
表示された複数のモニターには敵と交戦中のみんなの姿が映し出されている。戦闘機人や召喚獣、大量のガジェットと戦っているだけに苦戦を余儀なくされているようだ。
みんなのことが心配になるけど、みんな戦っているんだ。ヴィータちゃんだって今きっと駆動炉を止めるために頑張ってる。なら私も今やるべきことをやらないと。
「大規模騒乱罪の現行犯であなたを逮捕します。すぐに騒乱の停止と武装の解除を」
「フフ、仲間の危機と自分の子供のピンチにも表情ひとつ変えずにお仕事ですか。いいですね、その悪魔じみた正義感……」
そう言って戦闘機人は玉座に拘束されているヴィヴィオへと手を伸ばし頬を撫でようとする。
私に対する侮辱や煽りは冷静さを保っていられる自信はあったが、ヴィヴィオに触れようとした瞬間に私の中はざわつき反射的に砲撃を敢行した。しかし、その場に立っていたのはホログラムだったらしく一瞬にして掻き消えてしまう。
『でも〜これでもまだ平静でいられます?』
モニターに映った戦闘機人の笑みは実に憎たらしいものだ。だけどそれ以上に今のセリフからして何か仕掛けてくるつもりだろう。
そのように考えた直後、玉座の周りにある球体から電気が発生し始めヴィヴィオが苦しみ始める。彼女の名前を呼びながら近づこうとするが、突如七色の光が突風のように吹き荒れ前に進むことが出来ない。
『フフ……良いこと教えてあげる。あの日、ケースの中で眠ったまま輸送トラックとガジェットを破壊したのはこの子なの。あのときようやくあなたが防いだディエチの砲撃……』
「…………ッ」
『たとえその直撃を受けたとしてもものともせずに生き残れたはずの能力。それが古代ベルカ王国の固有スキル《聖王の鎧》……レリックと融合を経てこの子はその力を完全に取り戻す。古代ベルカの王族は自らその身を作り替えた究極の生体兵器《レリックウェポン》の力を!』
「――っ、ママぁぁッ!」
「ヴィヴィオ!」
「ママ!? 嫌だよママぁぁぁぁッ!」
泣き叫びながら視線で助けを求めるヴィヴィオに近づこうとするが荒れ狂う七色の光のせいで思うように前に進めない。
『すぐに完成しますよ。私達の王が……ゆりかごの力を得て無限の力を振るう究極の戦士』
「ママぁぁぁッ!」
「ヴィヴィオぉぉッ!」
必死に手を伸ばすが私を押し戻す力は一段を強さを増し
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