暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 35 「星光と聖王」
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駄に魔力を消費するだけ。それに聖王のゆりかごが衛星軌道上に達するまで時間もそう残されてないはず。ここは躊躇してる場合じゃない……

「っ……ブラスターシステム、リミット1リリース!」

 リミットブレイクモードにして私とレイジングハートの最後の切り札。その第1段階を発動する。それに伴い私とレイジングハートの能力は限界値を突破し、先ほどよりも格段に大きな魔力が溢れてくる。それを私は迷うことなく砲撃へと注ぎ込む。

「ブラスト……シュートッ!」

 大量の魔力を注ぎ込まれさらに威力を増した砲撃は、敵の砲撃を飲み込むようにしながら突き進み敵の本体ごと撃ち抜いた。それによって爆煙が発生し敵の姿が一時的に見えなくなる。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 ブラスターシステムを使用した反動によって私の息は上がってしまった。もしも今の一撃を受けてなお敵が動けるようならば正直不味い。
 きっと玉座にも敵戦力は存在するはず。ここで力を使い過ぎれば……ううん、ここで必要以上に魔力を消費したとしても私は諦めたりしない。たとえブラスターシステムの反動で体にガタが来たとしても最後まで戦い抜いてみせる。
 煙が晴れていくと武器を手放した状態で横たわる戦闘機人の姿が見えた。意識はあるようだけど戦闘続行は不可能のようだ。

「抜き撃ちで……この威力…………こいつ人間か――ぐっ!?」
「じっとしてなさい。突入隊があなたを確保して安全な場所まで護送してくれる。この船は……私達が制止させる!」

 敵にはバインドを掛けたのでそれだけでも十分な気もしたが、念には念を入れて私は転がっていた武器にバインド型の封印魔法《シーリングロック》を掛けてからその場を飛び去る。
 玉座に向かって進む中、私は左腕を押さえていた。多少出血もしているようだけど、それもこの痛みもブラスター1による反動によるものだと分かっている。こうなることは覚悟していただけに問題はない。

「……っ」
「……マスター」
「平気。だからブラスター1はこのまま維持……急ぐよレイジングハート!」

 痛みが顔に出ていたんだろう。だけど私は止まるわけにはいかない。それはきっとレイジングハートも分かってくれるはず。だって私の相棒なのだから。
 先に進みながら私は小型の光球を複数散布していく。これは広域遠隔目視観察魔法である《ワイドエリアサーチ》のサーチャーだ。敵を……特に戦闘機人は逃すわけにはいかない。そのため、もしもの場合に備えて準備はしておくべきだろう。
 最大速度で進んでいると閉じている扉が見えてきた。位置情報から予測するに玉座の間に間違いない。簡単に開きそうもないと判断した私は、レイジングハートを構えると砲撃を撃ち込んで扉を破壊する。

「いらっしゃ〜い、お待ちしてました」


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