暁 〜小説投稿サイト〜
音速伝説 エメラルド
進化する闘鶏
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太陽光がぶつかり合う。打ち勝ったのはーーエメラルドだ。太陽の光に一瞬目がくらみ、スピードを落とすレネ。
 
 そしてその隙に、エメラルドが彼の横に並びーー
 
「おらあああ!どきやがれ!」
「なっ・・・!」
 
 レネの車体ギリギリ。壁にぶつかるギリギリを通り抜けてついにレネの前に出る。走る間に彼の技術を盗み、彼の垂直に曲がるようなコーナーリングをしたのだ。
 
(とはいえ、私にはまだ劣る・・・それでもあの子が私を抜けたのはーー)
 
「教えてやるよ、プロ様。バトルってのはなあ、こいつは絶対に自分の道退かないバカだってビビらせたほうが勝つんだぜ!」
 
 そう、あのときレネが少しでも自分の道を譲らなければ二人の車体は衝突し事故を起こしていただろう。エメラルドはただの無謀ではなくそのリスクを承知で突っ込んできた。
 
 それは、レネの好むサイクリングバトルとは逆の形。昔の暴走族のチキンレースのようだったが。
 
「・・・面白いですね」
「へっ、ようやくそのいけすかない仮面を取りやがったか」
 
 エメラルドの走りは、そういった野蛮なモノとはどこか別のように思える。見てて笑みがこぼれてくるものなのだ。だからレネは自然に微笑むことができた。
 
「では私も、本気で行きましょうーー戻れサンダース、そして出番ですスピアー!」
 
 羽の音を馴らして黄木な蜂そのものの姿をしたポケモン、スピアーが現れる。鋭い二つの針がキラリと光っていた。

「さすがにジュカインじゃ相性が悪いな・・・戻れジュカイン、そして出てこいワカシャモ!」
「おや、メタングでなくてよいのですか?」
「ああ、これでいい!」
 
 どうせ周到な相手の事だ。一回戦で出しているメタングに対してなにも出来ないようなポケモンを出してくるとは思えない。それよりここはーーワカシャモの可能性に賭ける。

「いくぜワカシャモ、大文字だ!」
「スピアー、ダブルニードル」

ワカシャモが大きな火の輪を放つと、スピアーはその輪を潜らせるように針を撃ってきた。二本の針が僅かに燃えながらエメラルドとワカシャモを刺す!

「いってえ・・・!!」
 
 鋭い痛みは、ミサイル針の痺れとは比べ物にならないほどだった。気の弱い者なら自転車から転げ落ちてしまうだろう。
 
 そしてその間にレネは大文字をかわし、エメラルドを抜いて前に出る。エメラルド、猛追ーー

「さすがに大文字じゃ当てれねえか・・・なら、火炎放射だ!」
「スピアー、毒づき!」
 
 ワカシャモの炎の柱に、なんとスピアーは鋭い針を槍のようにして突っ込んできた。虫ポケモンが炎タイプの技に飛び込むなど、まさに飛んで火
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