進化する闘鶏
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「これでわかりましたか。君のバトルはただの力ずくです。サイクリングバトルでは、通用しません。では、失礼します」
言いたいことを言って、レネは走り去る。一人残されるエメラルド。
だがその表情は、屈辱にも絶望にも染まっていなかった。
午後からの第二回戦も平然と勝ち抜き、彼は準決勝へと望むーー
「なんだあ、こりゃ?」
翌日、サイクリングロードにやって来たエメラルド達が見たのは、昨日のちゃちなモニターとはうってかわった高画質の巨大テレビと、それを見る沢山の人々だった。どうやら今日からは客を集めているらしい。
「おっと・・・さあ、これで選手も全員揃いました!それではさっそく抽選の時間です!・・・はい、決まりました!一回戦は『痺れる針山地獄』レネ選手と!『音速伝説』エメラルド選手です!ルールは10km, 使用できるポケモンは2体まで!さあ、盛り上げてくださいよー!」
対戦相手があのレネと聞いて、エメラルドは笑みを浮かべる。アサヒは逆に不安そうだ。
「あの・・・彼に勝つための作戦が思い付いたんですか」
「いや?俺は俺らしくやるだけさ」
自信満々のエメラルドを見て、これは自分一人で不安がっていても仕方ないなと思うアサヒ。せめて笑顔で送り出すことにする。
「わかりました・・・じゃあ、頑張ってください!」
「おう、行ってくる」
そうしてエメラルドはスタートラインに向かう。そこには既にレネがいた。
「逃げずに来ましたか。感心ですね」
「はっ、俺様を誰だと思ってやがる?」
「私のなかでは『元』優勝候補ですね」
「相変わらずいけすかない野郎だな」
「昨日から何か変わったのか何も変わっていないのか・・・見せてもらいますよ」
「はいはーい、おしゃべりはそこまでよ!」
すると、実況の声が聞こえてきた。二人は自転車に跨がり、スタートの態勢をとる。
「それじゃあ3・2・1・・・」
「「サイクリングバトル、アクセル・オン!!」」
二人が自転車を漕ぎ出し、ポケモンを繰り出す。
「出てこい、ジュカイン!」
「出番です、サンダース」
お互いいきなり技は繰り出さない。先を行ったのはやはりレネだ。第一コーナーを角を垂直ギリギリで曲がり、更にリードを広げようとする。
「っと・・・へへ、真似してみりゃ軽いもんだな!」
だが、エメラルドもそう簡単には引き剥がされなかった。エメラルドはレネの後ろにぴったりつき、その自転車さばきを真似るーーそうすることで、自転車のテクニックに関する差を縮めようとい
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