帰郷-リターンマイカントゥリー-part6/偽りの婚約者
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鳴き入れてからカトレアをベッドに連れて行った。
「それにしても、チビルイズったら、いったいどこに行ったのかしら」
一安心し、今度は窓の外を眺め出すエレオノール。彼女は、叱られたルイズがどこに隠れるのかまでは把握していない。ここから見える場所にいればいいのだがと、外を眺め始める。
その時だった。窓の外に、突然巨大な怪物が…レッドキングの姿が現れる。
「か、怪獣!?このヴァリエール領にまで…!!?」
ここしばらくトリステイン国内で怪獣の出現頻度が高いことは知っているが、それはあくまで王都周辺。まさか自分の領内にまで怪獣が現れるとは思いもしなかった。
そして、レッドキングは驚くエレオノールたちの存在も状態も無視し、その剛腕を振りかざしてきた。
直後、カトレアの部屋は崩落を起こした。
「ちい姉様ッ!」
レッドキングが攻撃した屋敷の箇所はなんと、カトレアの部屋だった。家族の中で自分を優しい愛で包んでくれた人。その人かいる部屋が、粉々に砕かれた…
「い、いやあああ!!」
ルイズはたまらなくなって悲鳴をあげた。いつも花のような笑顔を向けてきた姉が、同じ女性としても自分にとって憧れの存在が…!
さらにレッドキングはたて続けに屋敷に攻撃し、屋敷を破壊していく。
「カトレアさん!ピグモン!」
サイトを起こしたムサシも、非情な現実に絶句する。
「ちい、姉様…」
「これはあなたが望んだことだ。家族を邪魔だと考えたあなたの願いを、僕が叶えただけ」
絶望を抱くルイズだが、そんな彼女に追い討ちをかけるようにセミ人間は非情な言葉をかける。
その言葉は、ルイズの心に突き刺さる。
「私の…せいで…」
私が、願ったから?私が家族を邪魔だと思ったから?だからカトレアは…!?
「もうあなたはこちら側の人間だ。もはやこのラ・ヴァリエールの地は、あなたの帰る場所ではなくなったのですよ。あなたが、ここを出たいと願い、私がそれを実現させたのですからね。
果たして、家族を見殺しにするような輩を、この世界の誰が受け入れるのですか?」
セミ人間の言葉が心に食い込み、ルイズの心の影が濃さを増していく。自分が…家族を邪魔だと思ったから…そう思ってしまわなければ、こんなことにならなかったのか?
「あ、ああ…」
カトレアが今のレッドキングの攻撃で崩れた屋敷と共に消えていくのを、身動きを封じる体の痺れも忘れ、ルイズの絶望を煽っていくセミ人間。
「安心なさい、僕らはあなたを迎え入れましょう。そして、我々の力としてその破壊的な力で、我々による宇宙征服を実現しようではありませんか!」
最後に自分達の陣営へ招き入れようとする。
ルイズは、自分に向けて怪しい眼光を光らせるセミ人間を見た。その怪しさと不気味さしかない眼光さえ、自分を導く光にさえ見えてくる。
「ルイズ、耳
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