帰郷-リターンマイカントゥリー-part6/偽りの婚約者
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『どくろ怪獣レッドキング』。かつて初代ウルトラマンと、怪獣ランドと化した多々良島で戦った、すさまじいパワーを持つ怪獣だ。
「平賀君!」
そこへ、ハルナまでもがサイトらのもとにやって来た。
「ハルナ!…バカ、逃げ…!」
なぜ来たのだ。降りかえって逃げるように促すサイトだが、ムサシの叫び声が響く。
「サイト君、危ない!」
同時だった。レッドキングがサイトに向けて蹴りを放つと、奴の足は地面を抉る。
今の攻撃に対する対応が遅れたサイトは回避できず、抉られた地面もろとも大きく吹き飛ばされた。
「ぐあああ!!」
芝生の上を転がり、なんとか立ち上がるサイト。
「サイト…!」
傷付くサイトを見て思わず叫びかけるサイトだが、直後にセミ人間から痺れで動けない体を引っ張りあげられる。
「さて、行きましょうかルイズ様」
「は、離してよ!」
「なぜ?あなたは言ったはずだ。ここから出たいと。
なら、私と来れば問題はあるまい」
セミ人間はまるで自分が善意に行動しているかのように言う。
「自分を認めない家族など、いらない。あなたはそう思っていたはずだ。違うか?」
「そ、それは…」
セミ人間の心を見透かすような言葉に、ルイズは自自身の心が揺らぐのを覚えた。
「だったら、僕があなたに代わって消して差し上げよう。あなたの枷でしかない家族を、すべてを」
それはセミ人間の残酷非道な精神を体現した言葉だった。
「やれ、レッドキング」
セミ人間はレッドキングに命じると、レッドキングは吠えながら地面の土を抉って手の中で固め、大きなつぶてを、屋敷に向けてそれを投げつけた。
「!」
ルイズは目を見開いた。幼い頃から住んできた屋敷が壊されていく。そこにあるのが当たり前だった家が…
しかも、今レッドキングが攻撃を加えたあの位置は!
「ルイズ…」
カトレアは、窓の外を遠い目で憂いながら眺めていた。サイトにはちゃんと妹を託してきた。でも、できれば自分もルイズの力になりたいと思うのがカトレアの姉としての本音。だが知っての通り自分は病弱な体だ。ムサシのおかげで、以前よりは元気に歩けるようになったが、それでも油断するとすぐに今朝の会食の時のように倒れてしまう。
「ピピィ…」
そんな彼女を、ピグモンは支えていた。
「カトレア、寝ていなくちゃダメじゃない」
すると、カトレアの部屋をエレオノールが尋ねてきた。家にいる間は、少し時間を置くたびに、様子を見に来るのだ。
「大丈夫よお姉さま。少し外を眺めていただけだから」
「だめよ、少しの油断も許しては置けないわ。ピグモン…だったかしら。カトレアをベッドに寝かして」
さっきよりは顔色は良くなってい入るが、それでも心配だ。エレオノールはすぐにカトレアをベッドに連れてくるようピグモンに命令すると、ピグモンは一
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