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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
帰郷-リターンマイカントゥリー-part6/偽りの婚約者
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ざけねばと考えていた。
「ルイズ、お前は怪獣が何度も出る場所にいてはならぬ。立ち向かうなどしてはならぬのだ。ましてや、お前には魔法の力がなかったのだぞ」
ここにはいないルイズに、切なる願いのように公爵は呟く。

脳裏に、若き日の光景が浮かぶ。
まだ若かった頃の自分たちを見下ろす、巨大な恐ろしい影を。

「……そう思うのなら、どうしてあの子は、あなたの考えに逆らうような我儘娘になったのでしょうね?本当なら、自分のしていることの重大さと危険性がわかるはずだというのに」
すると、公爵夫人の口から冷たい言葉が飛んできた。
「へ?」
惚けたような声を漏らしながら、公爵は目を丸くして妻の方を振り返る。見なければよかったと、直後に後悔した。妻の顔が無表情のはずなのに、鬼のような形相よりも恐ろしいプレッシャーがほとばしっていた。
やばい。公爵は妻の気迫がもはや自分からみて、怪獣さえもかわいく見えてくるほど恐ろしく感じるあまり、なんとか押さえてほしいと切に願うが、一度スイッチが入ると最後まで収まらないのは娘と同じだった。
「ルイズがあのように私たちに反発するのは、直接教育を施した私に責任があります。
でも、思えばあなたもあなたですね。家を大事にせよと申しておきながら、結局娘を甘やかすことが度々見受けられました。カトレアならまだしも、エレオノールにもその辺りが顕著でしたわ。初めての愛娘だからといって…おかげでエレオノールは中途半端な厳しさと自分の気性の荒さをコントロールできない癇癪娘になり、この前のバーガンディ伯爵の婚約もそれが災いして破棄になってしまう始末。長い間黙ってみてきましたが、最早看過できません」
「い、いや…カリーヌよ。その…」
言い訳を考えている時だった。
フレデリックに化けていたセミ人間のレーザーガンによる爆発が、屋敷の中の人間たちに伝わった。
「な、なんだ…今の爆発は?ルイズか?」
現地の様子を知らない公爵たちからすれば、爆発=ルイズの構図が大きかったが、カリーヌは冷静に否定を入れた。
「いえ、ルイズの爆発とは違いましたから、賊でしょうね。すぐに衛兵を…」
母直々に魔法の講師をしていたこともあってか、娘の失敗魔法の形や音さえも把握していたらしい。カリーヌは部屋の棚の上に置いてある呼び出しのベルを手に取ろうとした途端だった。
「か、カリーヌ!!」
外を見て驚いた公爵が声を荒げる。一体何事かとカリーヌは窓の外を眺めると…。
「ッ!」
さっきまで涼しい顔だった彼女の顔も、心の焦りを生みかけるほど息をのんだ。

その時、外にある存在が姿を現していた。
トリスタニア方面に頻繁に出現する…『怪獣』が。




カトレアの部屋にて、ルイズの爆発の揺れにムサシたちも驚いた。
「ルイズの魔法…?いえ…その割には…
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