帰郷-リターンマイカントゥリー-part6/偽りの婚約者
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返って彼に名前を尋ねてきた。
「え、あ…平賀、才人です」
思わず妙に緊張して礼儀正しくなり、名前を明かすサイト。
「ヒラガ・サイト…ですか。ふむ…」
カリーヌはじっとサイトの顔を覗き見る。何を考えているのかさえも読み取らせない無表情でじっと見られ、サイトはレオから戦士としての視線で睨まれた時のプレッシャーを思い出した。
「あ、あの…何か…?」
一体何を思っているのか、彼女が何を言いたいのかサイトが尋ねる。
「あなたを見ていると、『彼』を思い出しますね」
「え?」
彼?何やら妙に意味深な言葉だが、カリーヌはすぐに首を横に振った。
「…いえ、なんでもないわ。それより、これはあなたのですね?」
そういってカリーヌは、サイトにウルトラゼロアイを手渡した。
「あ、すみません…」
頭を下げ、サイトはカリーヌに感謝の言葉を述べながらゼロアイを受け取る。しかし、カリーヌはいえ、と首を横に振った。
「使い魔とはいえ、娘が世話になっていますね。ですがこれくらいの礼など、細やかなものでしかありません。
まして、あなたの行動で常日頃この国がどれほどの恩恵を受けているかなど」
「え…?」
サイトとゼロは耳を疑った。そうとしか思えないような言葉だった。
『…まさか、この人…』
自分たちのその予想を彼女にぶつけてみようとしたが、カリーヌはその前に背を向ける。
「私はなにも見ていないわ。その間にあなたが何をしようとも…どんな姿となろうとも」
「……」
サイトはカリーヌに何かを言おうと思った。けど、それ以上は語る暇はなかった。すでにセミ人間を方に乗せ、レッドキングが動き出してこちらを今度こそ殺しにかかろうとしていた。
「ゼロ、行こう」
『あぁ…』
ムサシに問うた、誰かを救う・守るための方法なんてまだわからない。
それに気になることを耳にしたが、今は目の前の敵をどうにかしなければ。レッドキングを見上げながら、カリーヌから受け取ったウルトラゼロアイを開く。
守るべきものを守る。
ゼロのルイズの使い魔として。
ウルトラマンとして。
「デュワッ!!」
サイトはウルトラゼロアイを装着して光を身に纏い、自分のもう一つの姿…ウルトラマンゼロへと変身した。
その巨大な背中を見て、カリーヌは呟いた。
「やはり…似ている」
『彼』に…。
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