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帰郷-リターンマイカントゥリー-part6/偽りの婚約者
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なたの婚約者なのに」
「父様が勝手に決めたことよ。私知らないもん」
フレデリックに興味なしと言った様子でルイズは再び毛布に自らの身をくるませる。今は気安く話しかけてきてほしくないものだ。
「やれやれ、ずいぶんいじけられてしまったものだ。困ったものですね…」
やれやれと困り顔を浮かべるフレデリック。すると、彼は次に意外な言葉を口にした。
「ですが、ルイズ様。このままここでじっとしても無意味でしょう。本当に私の結婚が嫌なら、なおさらですよ」
婚約者の言葉とは思えない言葉に、ルイズは毛布から顔を出してフレデリックを見返す。
「いいの?そんなことお父様たちに聞かれたら、あなた私と結婚できなくなるかもしれないわよ?」
「別に構いませんよ。人生は長いんです。その分だけチャンスに恵まれているのですよ」
「ふーん…随分自信があるのね」
訝しげな眼差しでフレデリックを見る。ここまで言ってのけるということは、それだけ自分を惚れさせるだけの自信を持っているというのか。ルイズは鼻で笑い飛ばしてやりたくなった。自分はキュルケと違ってそう簡単に他人に靡く女じゃないのだ。
「まぁそれはともかく、ルイズ様。公爵様から婚約を進められた時から、あなたにあげたいものがあるんですよ」
「何よ」
自分にあげようとしているものを尋ねると、フレデリックはポケットから、綺麗な宝石をあしらったネックレスを取り出した。
「これをあなたに」
差し出されたネックレスは確かに綺麗だ。銀のチェーンに繋がれた台座に赤い宝珠が埋め込まれ、妖しく光っている。
「これを身に着けたら、あなたと即結婚…なんてことないわよね」
訝しげにフレデリックを見ながらルイズは言うと、フレデリックは笑い出した。
「はははは。何をおっしゃるのですか。宝石をくれてやったくらいで靡くほどヴァリエールの女性は甘くないことくらい承知の上ですよ。
とりあえず、その宝石をご覧ください。美しいでしょう?」
「そうね…」
確かにこの宝石を美しい。一体エキュー金貨何枚分の価値があるのか。台座に埋め込まれた石を見るルイズ。
「ルイズ様は、このお屋敷から出られたいですか?」
ふと、フレデリックはルイズに奇妙なことを訪ねてきた。
「な、なによ急に…?」
本当にこいつ、お父様が選んだ婚約者なのか。あまりらしいことを言ってこない。…しかし、その言葉は今のルイズには効果的な誘いに聞こえた。
「どうなんですか?」
「…出たいわ」
家族へ本当のことを話せない。故に認めてもらえない。自分が信じる男も自分を見てくれない。ならば…
「もう嫌よ。誰も私を認めてくれない家なんて、ただの牢獄じゃない。鳥のように遠くへ飛んでいきたいわ」
ヴァリエールの名は誇りだと思っていた。そうだとサイトたちの前でも豪語した。けど、思い出せば、この
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