425部分:第五十八話 高山にてその七
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ンよ。しかしだ」
「しかし。何だ?」
「それだけではない」
彼はこうも言うのだった。
「それだけではな」
「どういうことだ、それは」
「スコーピオン、貴様だけではないということだ」
彼はミロ以外の六人も見ているのだった。
「貴様だけではな。つまりはだ」
「俺達もか」
「そういうことかよ」
「その通りだ。貴様等全て討ち取る」
彼は今度は悠然と笑っていた。下からもそれははっきりとわかった。
「それを今告げておこう」
「貴様の言いたいことはわかった」
ミロは一応それは受けた。
「それではだ。今度は俺が貴様等に問う番だ」
「ほう。何を問うというのだ?」
「貴様等の名を聞いておこう」
名前を聞くというのだ。彼等を見上げたうえで。
「その名は。何というのだ」
「我が名か。では名乗ろう」
狂闘士達の中心にいるその男はここで答えてきた。
「我が名はフォルス」
「フォルスというのか」
「そうだ。侯爵、アガレスのフォルス」
今度はその爵位と司る魔神の名も告げてきたのであった。
「その名、よく覚えておくことだ!」
赤い髪に黒い目をした濃い眉の男だった。その男が今ミロに対して答えた。これがこの盆地での戦いのはじまりの合図となった。
第五十八話 完
2009・10・4
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ