第189話 都を臨む
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分からない」
「劉正礼の軍勢が動かないと禁軍は単独で蜂起する度胸なんてないと思います。でも馬鹿が勢いづいて暴走するかもしれませんから時間の問題かもしれませんね」
賈?は表情を険しく変え禁軍の扱いをどうすべきか悩んでいた。
「静玖さん、数日中に洛陽を捨てて長安に移動します。長安の兵糧庫には備蓄が十分にあります。折を見て西域に落ち延びれば生き残る可能性は幾分かあります。私達には一騎当千の涼州兵がいます」
「生き残って西域に着ける者達がどれ程残るか分からない」
段?は賈?の考えに難色を示していた。彼女は董卓の命をすくいたいため、この都で決着をつけようと考えているのだろう。
「それしか手は無いですから」
賈?は神妙な顔で答えた。彼女は逃げて逃げて逃げ続けようと考えているようだった。段?は賈?の考えを理解し、思案気な表情だった。
「そのために劉正礼と一戦し突き崩す必要があります」
段?は黙って賈?のことを見つめるとしばらく黙考した。彼女は考えをまとめたのか口を開いた。
「朝駆けを行うつもりか。危険過ぎる」
「洛陽を離れる前に劉正礼の軍勢に朝駆けをするつもりはありません。どうせ使えないなら禁軍は劉正礼にくれてやります。私達は数日中にも長安に逃げます。劉正礼が急増した兵達を率いて私達を追ってきたところを待ち構えて急襲するつもりです。そこで崩せれば涼州に逃げ、そのまま西域に逃げ延びます。駄目なら予定通り長安に逃げ込みます」
「皇帝陛下と弘農王はどうする」
「劉正礼の軍勢を引きずり出すために長安まで連れていきます。二人が居れば劉正礼は私達を追わざる得なくなりますから」
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