422部分:第五十八話 高山にてその四
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第五十八話 高山にてその四
「それからも感じ取ることができる」
「黄金聖闘士が持つ第七の感覚」
「それでもですね」
今度問うてきたのはシリウスとカペラだった。
「セブンセンシズについては我等はわかりませんが」
「敵を察することができるのですか」
「このミロと同じ程度の力かそれ以上のものでない限りだ」
ミロは白銀の二人に応える形でゆっくりと話してきた。
「小宇宙や気配を消そうともセブンセンシズから逃れることはできない」
「左様ですか。それでは」
「敵が来るならばですね」
「その通りだ。このミロを誤魔化すことはできない」
語るミロの言葉が強いものになっていた。
「決してな」
「じゃあミロ様がいれば」
「あの連中もそうおいそれとは奇襲を成功させることはできないってわけですね」
青銅の者達はミロの今までの話を聞いてこう考えたのであった。
「奴等が何を企もうとも」
「安心ってわけですか」
「そう楽観できるものでもない」
しかしミロはこうも言うのであった。
「決してな」
「連中も馬鹿でもなければ間抜けでもないってことですね」
「つまりは」
「その通りだ。狂闘士は侮ることができない」
そのこともよくわかっているミロだった。彼は自分も周りの聖闘士達のこともわかっていたがそれと共に敵のこともよくわかっているのである。
「そのことは忘れないことだ」
「ええ、わかりました」
「油断したり侮れば、ってことですね」
「御前達が死ぬことになる」
今度のミロの言葉は不気味なまでに鋭いものであった。
「それはわかっておくことだ」
「ええ、それはもう」
「よくわかってるつもりですよ」
返事をする彼等の言葉も真剣そのものであった。
「何があってもですね。油断はしませんから」
「連中の禍々しさも強さもわかってるつもりですし」
彼等がこう言う根拠はかつての狂闘士達がエリスに連れられ聖域に来た時にその禍々しさと強大さを併せ持つ小宇宙を感じ取ったからである。だから今こう言えるのである。
「あの連中の強さは尋常じゃありませんからね」
「俺達にしろ。一歩間違えれば」
死、という言葉は出されなかった。しかし誰もがはっきりと感じ取りそのうえで話の中に入れているものであった。
「ですからね。絶対に」
「それはありませんよ」
「よく覚えておくことだ。さもなければ本当に倒れるのは我等だからな」
「ええ」
「今もですね」
青銅の者達は話すその間も周囲に警戒を怠ってはいない。
「来るかわかりませんしね」
「その牙を剥いて」
「戦う場は何処でもいい」
今度はこんなことを言うミロだった。
「何処でもですか」
「こんな足場の悪い山場でもですか」
悪いどころではない。恐ろしく険しい岩屋ま
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