第70話 龍馬の思惑
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こうかのぉ。飛びついてくると思うけ」
龍馬は席を立ち、くるりと後ろを向いて歩き出そうとした。
「ま、まって、龍馬」
岩崎とグラバーはアメリカという言葉を聞いて焦りだした。勿論、これは龍馬の戦略であるのだけれど。
「うん?どがいした?」
龍馬は後ろ向きで立ち止まった。そして、にやりと笑った。
「今のおまんのプランは聞かない事にしよう。おまんなら、きっと面白い事考えていそうだからな」
岩崎は口早に言った。
「弥太郎。おまん、協力してくれると言うんか?」
龍馬はまだ後ろ向きでいった。
「あぁ、協力させてもらおう」
岩崎は首を上下に振ってこたえた。
「さすが、親友。弥太郎、わしはおまんを信じていたきに」
龍馬は岩崎の肩を叩いて大声で笑った。
「そいじゃ、そういうことで二人ともよろしく頼むぜよ。連絡はこっちからするきに」
龍馬は深々とお辞儀をして、席を離れていった。
「龍馬さん、ちょっと待ってもらえませんか?」
岩崎と別れたグラバーが、小走りに走って来て龍馬を呼び止めた。
「うぅん?グラバーさん、なんか用かい?」
息を整えているグラバーを龍馬はみつめた。
「龍馬さん、あなた、何を企んでますか?」
グラバーはどうしても納得がいかないようだった。
アメリカを出されたときは焦ったが、何の企みもない事にアメリカだって動くことはしないだろう。
「まぁ、そうじゃのぉ。グラバーさんになら言ってもいいじゃろう」
龍馬はにやりと笑った。
(私ならいいだと?もしかして、日本の大事のことか?)
グラバー程頭の斬れる男はないかった。すぐに、龍馬の狙いが解った。
「これはの、他言無用でお願いしたい。実はの・・・・・」
龍馬はグラバーに耳打ちをした。
「ば、馬鹿な!!そんなことを」
グラバーは目を大きく見開いて龍馬を見つめた。が、龍馬はにやりと笑うだけだった。
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