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音速伝説 エメラルド
疾走する強者たち
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如く、林の如く走り。ハガネールが火の如く攻め、山の如く守る。我らに一分の隙もありはせん」
 
女相手に本気を出すのが不本意なのか、憮然と言う相手。それに対しネビリムはやはり笑顔を崩さなかった。
 
「あと300m」
「なに?」
「あと300m で、あなたを追い抜きます」
「馬鹿なことを」
 
 相手は取り合わず、音無き走りを続ける。ネビリムも追走するが、ハガネールの守りと攻めを一体化した動きを攻略しなければ勝機はない。
 
「まさか一回戦からこれを使うとは思いませんでしたーーいきますよ、ミミロップ!」
 
 ネビリムの髪留めと、ミミロップの体が光り輝く。それを見た相手の自転車からわずかだか一瞬音がした。
 
「なぬ?それはまさか」
「ええ、メガシンカです。その強さは巨人を倒し、その可愛さは天使に勝る!今このステージに降臨しなさい、メガミミロップ!」
 
 ミミロップを覆う光が消え、体を一回り大きくしより鍛えられた体になったメガミミロップがネビリムの隣を並走する。
 
「さあ行きますよメガミミロップ!飛びひざげり!」
「受け止めろ、ハガネール」
 
 助走をつけてメガミミロップが回転するハガネールに突っ込んでいく。鋼としやなかな筋肉の激突ーー結果は。
 
「ふん、やはり無駄だったようだな」
 
 ハガネールの体は、崩れない。むしろ鋼鉄のボディに思い切り膝をぶつけたメガミミロップが膝を傷めている。そうしている間にも、100m が過ぎていく。
 
「見たところ、貴様のミミロップも雌であろう。女の体は傷つけたくない。これ以上の攻撃はやめるのだな」
「・・・安い台詞ですね」
 
 ネビリムがメガミミロップをちらりと見る。メガミミロップは膝を気にすることなく頷いた。
 
「メガミミロップ、もう片方の膝で飛びひざげり!」
「なんという愚かな・・・」

 もう一度、同じ攻撃が繰り返される。そして結果も一緒だった。メガミミロップが両膝を痛めて、流石に走りにくそうにする。200mが過ぎていく。
 
「・・・これ以上やれば、貴様のポケモンの無事は保障せんぞ」
「あなたに保障される謂れはありません。メガミミロップーー今度は両膝で飛びひざげり!」
 
 三度、飛びひざげりが放たれる。バキン、と何かの砕ける鈍い音がした。恐らくはメガミミロップの膝の骨が砕ける音だろう。相手は残念だと思いながら、後ろのネビリムを睨む。
 
「自らのポケモンへの配慮を忘れた愚かなトレーナーよ。せめて同じ道をたどり、悔やむがいい。アイアンテールだ」
 
 一度痛い目を見なければこの女は暴挙をやめるまい。そう判断した相手はもはや容赦
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