疾走する強者たち
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返事もできないエメラルドに勝ち誇るホンダ。勝負は一キロ、もう半分は走っただろう。エメラルドに打開手段がなければ負けだ。そしてメタングには念力が使えるが、直接トレーナーを操る行為は禁止されている。
「・・・ああ、そうだな」
かなり疲労した声でエメラルドがようやく返事をした。昨日はサイクリングロードすべてを走りきっても平気だったのに。毒ガスが効いているのだろう。
「へっ、ようやく認めやがったか。だがもうおせえぜ。俺たちを怒らせたこと後悔しな・・・!?」
息を荒くしながら勝ち誇るホンダだったが、その声がひきつる。
(なぜ、やつの声が横から聞こえる?)
そう、もう半分は走っただろう。すでに相当な距離がついているはずだ。なのに・・・
「よう・・・また会ったな」
「な・・・!?」
エメラルドは汗をながしながらも、確かにホンダに追い付いていた。その方法とは・・・
「て・・・てめえ、まさか煙に隠れて念力で移動しやがったのか!?」
「へっ、俺様がそんなセコい真似するかよ・・・俺はただ、全力でかっ飛ばしたんだよ!」
「な・・・なんだと!?」
馬鹿げてる、とホンダは思った。それでマタドガスで加速する自分に追い付けるはずかない、と。
「なあ・・・てめえ、息があがってるぜ?」
「・・・!!」
エメラルドの指摘に、今更ながらホンダは自分の状態に気づく。まだ一キロも走っていないのに彼はバテはじめている。
「そう・・・毒ガスを吸ってたのは俺だけじゃねえ。お前もなんだ。俺よりもずっと長い間な」
謂わばホンダは、長い間きつい煙草を吸い続けたようなものだ。彼の肺はすっかり毒ガスに侵されている。
「つまりてめえの走る速度は、てめえの思うよりずっと遅かったってことだ!さあ、このまま追い抜くぜ!」
「させるかよ・・・ならてめえのメタングを沈めれば俺の勝ちだ!股怒我巣、火炎放射!」
「てめえはこうも言ったぜ。相性なんざ知ったことかってな!メタング、念力!」
メタングの念力で火炎放射を跳ね返す。マタドガスの体が逆に燃えた。
「怒っー!」
「股怒我巣!!」
「よっしゃあああー!!」
二人の距離が、どんどん離れていく。そして一人が、ゴールを切ったーーエメラルドの勝利だ。
一回戦を勝利したエメラルドは、サイクリングロードを戻りアサヒのもとへ戻る。アサヒはエメラルドにタオルを差し出して出迎えた。
「やりましたね、エメラルドさん!」
「へっ、俺様にかかりゃあんなやつ屁でもねえよ」
エメラルドに言わ
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