sts 34 「想いを胸に」
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…!」
身動きが取れないこともあって私は周囲に魔力弾を複数生成しスカリエッティへ発射する。しかし、AMF状況下かつスカリエッティに防御魔法を使用されたこともあってダメージを与えることはできなかった。
「自分は違うのだと言いたげなようだが……君もあの子達が自分に逆らわないように教え込み戦わせているだろう? 私もそうだし、君の母親も同じさ。周りの人間は自分のための道具に過ぎん。そのくせ君達は自分に向けられる愛情が薄れるのは臆病だ。実の母親がそうだったんだ……いずれ君もああなるよ」
「…………」
「間違いを犯すことに怯え、薄い絆にすがって震え、そんな人生など無意味だと思わんかね?」
スカリエッティと母さんには確かに似たような部分があるかもしれない。もしかすると私もいつか母さんのように道を踏み外すかもしれない。もしもさっき言われていたなら私の心は完全に壊れていただろう……しかし。
――私にはショウへの想いがある。ショウが私にくれた言葉がある。それがある限り、私は私を見失うことはない。
『『違う!』』
「――っ!?」
『無意味なんかじゃない』
『僕達は自分で自分の道を選んだ』
声の主はモニターの向こうに居るエリオとキャロだった。ふたりはフリードの背中に乗っている。キャロが召喚士の子を抱えているということは、ふたりの勝負は一段落着いたのかもしれない。
『フェイトさんは行き場のなかった私に温かい居場所を見つけてくれた』
『たくさんの優しさをくれた』
『大切なものを守れる幸せを教えてくれた』
『助けてもらって、守ってもらって、機動六課でなのはさんや兄さんに鍛えてもらって』
『やっと少しだけ立って歩けるようになりました』
『フェイトさんは何も間違ってない』
『不安ならわたし達が付いてます。困ったらわたし達が助けに行きます!』
『もしも道を間違えたら僕達がフェイトさんを叱ってちゃんと連れ戻します。フェイトさんには僕達が……みんなが……何より兄さんが付いてます!』
『だから負けないで。迷わないで』
『『――戦って!』』
守ってあげないといけないと思っていた子供達。周囲からは過保護過ぎると言われたりしたけど、確かにそのとおりかもしれない。だってあの子達はちゃんと自分達で考えて行動してる。自分の意思を言えるようになっているのだから。
――大丈夫だよエリオ、キャロ。だって私にはみんなが……エリオやキャロが……ショウが付いてくれてるんだから。
「……オーバードライブ《真・ソニックフォーム》!」
マントやコートを排除し最大限身軽になる。この状態は魔力の全てを速度に費やすため、装甲はないに等しい。一度でも攻撃をもらえばそこで終わるほど、速さのみを追求した超高機動特化形態だ。
「ありがとう
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