sts 34 「想いを胸に」
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したものだろう。ユニゾン時の運用も考えてユーリも手を貸しているに違いない。
ショウは重さを増して二振りの剣を一度くるりと回して切り払い感触を確かめると、こちらを一別して空を飛翔し始めた。
「……ライオット!」
私の声に応えるようにバルディッシュがカートリッジを2発リロードし、ザンバーをより小型化した形態に姿を変える。
バルディッシュのフルドライブでありフォースフォームに当たる《ライオットブレード》。ザンバーフォームよりも高密度に圧縮された魔力刃を発生させ高い切断力を誇る。またガードされたとしても刀身に纏う高圧電流がダメージを与える二段構えの形態だ。
「――はあッ!」
気合と共に横向きに一閃。ライオットブレードはザンバーを砕いた紅い糸を容易く斬り裂いた。しかし、私は肩が上下してしまうほど息が上がってしまう。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「それが君の切り札かい? ……なるほど、このAMF状況下では消耗が激しいようだ。しかし、使ってしまっていいのかい? たとえここで私を倒したとしてもゆりかごも私の作品達も止まらんのだよ」
確かにAMFのある場所でのライオットは発動を維持するだけでも大量の魔力を使ってしまう。時間を無駄に使えば、すぐに私の魔力は枯渇してしまうだろう。
だけど私が今やるべきことは目の前に居るスカリエッティと戦闘機人の捕縛だ。ゆりかごや他の戦闘機人はみんなが対応してる。なら私はみんなを信じて自分が今すべきことをするだけだ。
「プロジェクトFは上手く使えば便利なものでね。私のコピーはすでに12人の戦闘機人全員に仕込んである。どれかひとつでも生き残ればすぐに復活し、1月もすれば私と同じ記憶を持って蘇る」
「……馬鹿げてる」
「旧暦の時代……アルハザード時代の統治者にとっては常識の技術さ。つまり君はここに居る私だけでなく各地に散った12人の戦闘機人、その全員をひとり残らず倒さなければ……私もこの事件も止められないのだよ!」
スカリエッティが爪型の装備を付けた右手を動かしたかと思うと、私の周囲に再び紅い人が出現した。それは奴が右手を握り締めるのと同時に私を捕縛する。
「くっ……」
「心は彼のおかげで立ち直ったようだが、それ故に頭も回るだろう。フフ、絶望したかい?」
「私を……甘く見るな」
「フフフ、口ではそう言っても心の片隅では不安なのではないかね? 君と私はよく似ているんだよ」
私とスカリエッティが似ている? そんなはずがない。こんな命を……人を何とも思っていないような奴と同じであるはずがない。
「私は自分で作り出した生体兵器達……君は自分で見つけ出した自分に反抗することが出来ない子供達。それも自分の思うように作り上げ、自分の思うように使っている」
「黙れ…
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