sts 34 「想いを胸に」
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とえ人工的に作られた存在だとしても人間だと言ってくれた。
『……それに自分が誰なのか決めるのは自分だけど、他人が自分を誰か決めてくれるときもある。君には、君をフェイト・テスタロッサだって認めてくれている人達がいるはずだよ』
ショウが……ショウが居てくれたから私は私を保っていられた。母さんと向き合って話そうと思えた。
最初見た時に悲しい目をしていると、もしかしたら自分と同じような経験があるのかもしれないと思った。それでも俯かずに生きている姿に興味を持たずにはいられなかった。だから友達になろうと言ってくれたなのはと同じくらい気になったんだ。
再会できた時は嬉しかった。素っ気ない感じもあったけど話しかければちゃんと答えてくれた。
闇の書を巡る事件でショウの強さを見た。どんなに苦しくても傷ついても現実から目を背けず歩き続ける。不条理な世界と戦う姿に憧れた。
そうしている内……いつからか気が付けばショウの姿を追うようになっていた。ショウと少しでも一緒に居たいと思うようになっていた。ショウのことを……好きになっていた。
日に日にその想いは強まって……正直に言えば、はやてがショウに引っ付いたりするのを見ると笑ってたり、慌てて止めたりしてたけど内心では嫉妬ばかりしてた気がする。
でも……学校の頃は今ほど辛くなかった。みんなのことも好きだったから。みんなで過ごす時間が嫉妬を覚えたとしても良い思い出だと思えるほど楽しかったから。
――違う……本当はそう思って現実から逃げてただけだ。
私はショウのことが好きだ。だけど告白する勇気なんてなかった。振られるのが怖かったから。関係が変わってしまうのが怖かったから。
友達のままで良いと思ったことも何度もある。けど……そう思う度に胸が苦して……痛くなった。
恋に恋しているわけじゃない。私はショウのことが好きだ。ひとりの男性として愛している。でも……だからこそ
「……私は」
ショウと一緒に居ちゃいけない。
だって私が……私が居たからショウはスカリエッティのターゲットにされてしまった。アインスと再び剣を交えることになってしまった。私が……私さえいなければショウが傷つくような事態は起こりえなかったんだから。
「フフフ……まさか容赦なく斬り捨てるとはね。さすがは黒衣の魔導剣士と言ったところか」
ふと落としていた視線を上げると、スカリエッティと2つのモニターが見えた。
モニターのひとつには懸命に召喚士の子を止めようとするエリオとキャロの姿が見える。バリアジャケットを見る限り、激しい戦いを繰り広げているのが分かる。
もうひとつのモニターには……真っ二つに斬られて消えて行くアインスとそれを見つめるショウの姿が映っていた。これといっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ