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本当はね、僕が悪いんだ。
あの日、星祭りの会場で、僕はアルタイルと話しているうちに、気持ちを抑えきれなくて言ったんだ。
「また明日から逢えなくなっちゃうなら、2人でガラッシアから出て行こうよ。僕は王子なんてやめて、アルタイルと一緒に暮らしたいよ」
そうしたらアルタイルはとても驚いた顔をして、僕に聞いたんだ。
「俺以外のすべて失うということだぞ。いいのか?」
僕はアルタイルの目を見ながら頷いた。
こうすればアルタイルが拒否しないのを知ってたから。
アルタイルは実際に僕の願いを叶えてくれた。
大河の岸で笹飾りを眺めている最中に、アルタイルは僕の耳元で「行くぞ」と囁いた。
僕が頷くよりも先に、アルタイルは従者の目を盗んで僕の手を引いた。
僕は、ずるい。
たぶらかしたのは、僕だった。
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