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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
421部分:第五十八話 高山にてその三
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第五十八話 高山にてその三

「あの国が確かにあったのだ」
「そしてその遺跡がですか」
「マチュピチュですね」
「今我々はそこを目指している」
 ここであらためてこのことを言うミロだった。
「狂闘士達と戦う為にだ」
「はい、その通りです」
「その為に我々はここに」
「その通りだ。そしてだ」
 ミロの言葉は続く。
「狂闘士達は何時来るかわからないぞ」
「ええ、その通りですね」
「今は小宇宙を感じませんが」
 二人の白銀聖闘士達は今のミロの言葉を受けてその顔に緊張を漂わせた。
「牙を磨いているのは間違いありません」
「ですから」
「警戒は怠るな」
 それは彼自身もだった。
「いいな、決してだ」
「はい、わかっております」
「それは」
 そのことに対してすぐに答える二人だった。
「こうして高山を歩いていても」
「何時来るのかわかりませんから」
「今すぐ来てもおかしくはない」
 ミロのこの言葉は煽るものでも過敏なものでもなかった。
「そう、今にでもな」
「じゃあミロ様」
「何処から来てもですね」
 青銅の者達もここで警戒の色を見せてきた。
「おかしくないってことですよね」
「上や下からも」
「そうだ。何処からでもだ」
「何かそれ考えると山にいるのってやばいですね」
「確かに」
 青銅の者達はそれぞれ警戒する顔になった。
「何時何処からでもって」
「しかも上とか下までって」
「案ずることはない」
 だがミロはこう言うのであった。
「特にな」
「案ずることはないって」
「またどうしてですか?」
 ミロの今の言葉につい問うてしまった彼等だった。
「こんな足場が悪くて空気も薄い場所で戦うってのに」
「案ずることはないって。そうなんですか?」
「すぐにわかるからだ」
 青銅の者達への返答はこうしたものだった。
「何時何処から来るかな」
「そういうことがわかるんですか」
「まさかそれは」
「そうだ。まずは小宇宙だ」
 聖闘士も狂闘士もその力の源にしているそれであった。これなくして彼等は戦うことができないと言っても過言ではないものである。
「それを感じるからだ」
「ああ、ミロ様ならそうですね」
「感じられますね」
 ミロのその言葉を聞いて納得した彼等だった。そういわれてわかったのである。
「黄金聖闘士の感覚は俺達とはまた違いますから」
「それで、ですね」
「このミロが感じられる場所はこの山だけではない」
 ミロは言うのだった。
「それよりも遥かに広い。だからだ」
「連中が来ても感じ取ることができる」
「そして対処できる」
 青銅の者達は言っていく。
「そういうことですか」
「小宇宙を感じ取れるからですね」
「セブンセンシズからもだ」
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