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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第十九話 派遣任務 5
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ガクブルのアスカ。

何とか現状打破のアイデアをひり出そうとする。

(ちょっとしか見てません→見たのか!紫電一閃。
 見てません→嘘つけ!紫電一閃。
 じゃあ、オレのも見せます!→問答無用で紫電一閃。
 なんだこのクソゲー!)

どうシミュレーションしても紫電一閃が飛んでくる。

(こうなったら!)

アスカが湯面ギリギリまで頭を下げて、シグナムに向き直る。

「申し訳ありません、副隊長!どのような処分でも甘んじて受けます!」

湯の中に潜り込むのではないかと思うくらいに頭を下げて謝罪した。

とにかく謝って、紫電一閃を手加減してもらおうという手に出た。

「……」

シグナムはお湯に身を隠しながらその様子を見る。

肢体を隠すには小さすぎるタオルを、お湯の中で巻き付ける。

マナー的にはよくないけど。

「……まあ、今回は事故みたいな物だからな。仕方がない、許してやろう」

意外にも、シグナムはアスカを許すと言ってきた。

「は、はい!ありがとうございます!」

アスカはその体勢のままシグナムに背を向けてから、頭を上げた。

(ああ!許してもらえるなら、もっとしっかり見ておけばよかった!)

嬉しいやら悔しいやらのアスカ。

実際の所、アスカが目にしたのはシグナムのシルエットだけである。

湯けむりもあったし、入り口からの逆行でほとんど見えてなかったのだ。

(でも、シルエットだけでも…だったな!)

アスカはニヘラ、とだらしない顔になる。

(この事をヴァイス陸曹なんかに話したら、マジ羨ましがるだろうな)

そう思って、ヴァイスに話した時のシミュレーションを頭の中でやってみる。

(陸曹に話す→六課全体に知れ渡る→陸曹諸共、火竜一閃!)

うん、黙ってよう。そう心に誓ったアスカであった。

そんなアスカの考えも知らず、シグナムは何とか冷静さを取り戻していた。

(そう、事故だ、事故。アスカもワザとやった訳ではないのだから、私がいつまでも怒っていてはダメだ)

シグナムは一呼吸入れて、アスカの背中を見る。

(まてよ、この状況なら、あるいは話してくれるやもしれんな)

シグナムは、地球にきてからのアスカの変調の理由を聞き出そうと考えた。

「アスカ」

「ひ、ひゃい!はい!」

いきなり名前を呼ばれて、思わず噛んでしまったアスカ。

すぐに、はいを言い直す。

「そ、そんなに緊張するな。せっかくの露天風呂だ、くつろげ」

ちょっとだけどもってしまったシグナム。それでも副隊長として、余裕をあるところを見せたいようだ。

「いや、無理っス」

即答するアスカ。無理もないだろう。


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