第54話 師弟
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。
「何だよ」
「いえ......ミサカはチーズを食べたばかりなので......差し入れは甘い物が良かったとは思ってます」
「お前!弟子にするの辞めるぞ」
「気の利かない師匠だぁ」
コイツ......
「砂鉄時雨」
建物の中にある道場でミサカは風影の傀儡を操りながら、中央にある案山子に砂鉄の弾丸を撃ち込んでいく。
ミサカの傀儡の術は、まるで水を吸収するスポンジのように貪欲に学んでいった。
既に三代目 風影の砂鉄能力を自由自在に使いこなせるようになっており、サソリも舌を巻いた。
想像以上の上達具合だ
元々、御坂と同じで雷遁の素質があるから砂鉄との親和性も高いのだろう
「はぁぁぁー!砂鉄界法!」
三角錐に固めた砂鉄を傀儡の上で形成して指を下げる動作をする。
しかし、チャクラ不足か砂鉄の棘が小さく出るだけに留まる。
「はあはあ......上手くいかないです」
「まあ、特殊な仕掛けだからな」
「......すみません......」
「ここまで出来れば上出来だ」
サソリも天才傀儡造形師として名を轟かせたが......はっきり言ってしまえばミサカの傀儡使いとして天賦の才を持っている事は明白だった。
そして、前にミサカからゼツに付いて聞こうと質問したが、ミサカは首を横に振って舌を見せてきたのを思い出した。
「!?」
舌には数本の太い黒い線が入っていて、喉の奥まで連なっている。
「すみません......実験に関する事やゼツ様に関する事は喋られないんです」
これは、里の機密情報を扱う忍に施される呪印だった。
この呪印は特定の情報を相手に伝えようとすると発動し、舌が痺れて話せなくなり、全身が動かせなくなる呪いの刻印だった。
「アイツめ」
だから、コイツを切り離したんだ
例え、生きていた所で情報が外に漏れることが無いから
サソリは、暁の外套を握り締めて悔しさを露わにした。
ゼツの卑劣な手段へのやり場のない怒りがこみ上げる。
傀儡の練習をしているミサカの足先に真っ赤な血が滴り落ちているのを確認するとサソリは手を叩いて、ミサカを呼び止めた。
ミサカは息を切らしながら、サソリの指示に従い傀儡を下ろした。
「チャクラの使い過ぎだな。一旦病院に戻るか」
一応、包帯を巻いているが既に出血した血に染まっていた。
まだまだ、ゼツからの傷は癒えていない。
「はい」
万華鏡写輪眼の神威を使い自分の病室に戻ると丁度定期健診だったようで運悪く『あの鬼軍曹』がフレンダの点滴交換をしていた。
「いっ!?」
「サソリ様?」
ミサカが不思議そうに背後に居る師匠を見つめるが、サソリはチャクラを溜めると再び時空を曲げ始めた。
「待ちなさぁぁぁい!!」
牙を生やした鬼のよ
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