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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第54話 師弟
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「ま、待て......湾内。落ちつけよ」
重箱を持ち上げて、ニコニコの湾内にゼツ以上の恐怖を感じた。

******

湾内は部活に病室を出て行ったのと入れ替わりで佐天がお見舞いに来ていた。
あの激戦で浅い傷だった佐天は、治療を受けた後は自宅で休養を取っていた。

病室では、サソリが自分のベッドで死んだ魚の目で黙って、天井を見つめている。

「な、何があったの?」
「湾内が怖い」
カタカタと震えているサソリを心配そうに佐天が訊いた。

「あははは!まさか、全部食べたの?」
麦野が横で爆笑しながらサソリに質問した。
読書をしていたので、話半分だが湾内とサソリのやり取りに腹を抱えて吹き出しそうになるのを抑えているようだ。

「食えるわけねぇだろ!隙を突いて中身だけ時空間で飛ばした」
「隙?」


先ほどのやり取り
殺人的なチーズの量に悪戦苦闘をするサソリだったが、なんとか打破するために万華鏡写輪眼を使う事を思い付いて、湾内の後ろを指差した。

「あ!?湾内あれはなんだ!?」
「えっ!?なんですの?」
湾内がキョロキョロとした瞬間に万華鏡写輪眼を開眼させて、時空を曲げて重箱に入っているチーズだけを飛ばした。
「あー、すまん。何もなかった」
「?そうですの......まあ!?全部食べて頂いたのですわね!」
「まあな」
と古典的な方法でスマートに解決した。


その頃サソリの時空間先である、雨が降りしきる奇妙な建物の上に落ちている黄色い物体を暁の外套を着たミサカは発見していた。
「?タッタララ〜?ミサカはチーズを手に入れました」
建物の中に入り、お皿とスプーンを取ってくると掬いだす。
チーズは、ミサカが美味しく頂きました。


「ぅぅぅー、痛い」
そして、ゼツ達の猛攻をまともに受け、最も重傷のフレンダがベッドの上で包帯グルグル巻きにされていた。
医者が言うには、全身の骨にヒビが入り筋肉が断裂しており、絶対安静との事。

「まあ、八門遁甲やられたらそうなるわな」
サソリが自分のベッドに横になりながら、向かい側で横になっているフレンダを眺めた。
「はちもん?」
「八門遁甲な。意図的にリミッターを外す術だ。それぐらいで済んだのは運が良かったな」
「??」
麦野達の見舞いに来ていた絹旗が切ったりんごを麦野のテーブルに置きながら、麦野と目を合わせた。

「あのー、ちょっと質問超良いですか?」
「ん?」
「アンタって何者なの?」
麦野がサソリに質問した。
りんごをつまみ食いしながら、佐天が納得したように指を鳴らした。
「あ、そっかみなさん知らないんでしたね!こちらは忍者のサソリです」

忍者......?

更に二人の表情が混乱の様相を見せ始める。


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