7月21日夜-4
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約数分後。
負傷した三島と安藤、それに真久井と富良野の遺体がそれぞれ搬送された。
捜索隊の面々は、二台の救急車と二台の鑑識車を、苦い気持ちで見送った。
翔「・・・これで終わった。俺の仕事が・・・。」
高木「まだだろ。解散は八月だったはずだ。それに裁判がある。」
翔「でしたね・・・。」
翔は疲れ果てた様子だった。
彼が今まで抱いてきた自信、誇り。その一部がようやく現実化した町内巡回機動隊。
それが、わずか一年ちょっとの夢で終わってしまったのだ。
彼は、反乱を起こした隊員達と共に、身の置き場も行き先も見失ってしまった。
翔「それが終わったら・・・のんびりできればいいな・・・。」
翔はフラフラと覆面車‐オンボロのファミリアの方へ向かう。
ホー「兄さん。」
ホーも付いてくる。
彼女は翔の妹分だ。本当の兄妹のように深い愛情を持ち合っている。
佐藤「二人とも、乗り越えられるかしら。」
千葉「何ともいえませんね・・・。」
白鳥「ホーの方は大丈夫そうですよ。しかし篠崎警部補は・・・。」
高木「・・・。」
翔とホーはファミリアに乗車。エンジンをかけ、走り去っていった・・・。
(ナレーター・目暮十三)
「J-PTU」隊員らが引き起こした帝丹小学校立てこもり事件は結局、被疑者7名の内、3名死亡、3名逮捕、1名逃亡という苦い結末に終わった。
(なお、彼らや追跡班を襲撃したチンピラ連中は全員死亡していた。)
逃亡した1人、栗戸東樹の足取りに関しては、後日の調査でも、モーターボートから台湾籍の貨物船に乗り換えたところまでしか分からなかった。
おそらく台湾に渡ったのかもしれないが、今頃何をしているのかは誰にも分からなかった。
生き残った三名は、先に教官を殺害した2人(4人いたが、1人は自殺、もう1人も銃撃戦で死亡していた)と共に「統一被告団」とされた。
判決は、全員執行猶予付き懲役刑。
教官殺害組は15年だが、帝丹小に立てこもった隊員達は3年程度で済まされた。
部隊の影の創設者と言われる篠崎翔警部補は、この裁判からまもなくして、警視庁を辞職。妹分のホーと共に香港に渡った。
今では彼女夫婦やその子供達と共に、平和に暮らしているという・・・。
〈了〉
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