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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第69話:プレッシャースタディ
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はウルフ閣下とエヴァンを交互に睨んでいた。
「ナァン」
扉の前で待機してたソロちゃんが、扉が開いた事で入室許可が下りたと思い、ウルフ閣下の机までやってきて可愛く小首を傾げて見上げている。
そしてソロちゃんの入室を見たウルフ閣下が、
「何だ、入ってきちゃったのか? 仕方ないな……でも俺の仕事の邪魔をするなよ。大人しくしてれば後で遊んでやるからな……まぁお前は良い子だから解ってるよな。解ってない大人も居るけどな」
とソロちゃんと話しながらチラリとビアンカ様を見上げる。
「う゛〜〜〜……お、お邪魔しました!!」
ソロちゃんの円らな瞳に見詰められたビアンカ様は、大層悔しそうに唸ると乱暴な口調で挨拶して出て行った。
扉を開けて開きっぱなしにしてたエヴァンは俯いて目を合わせられない。
「ふっ……邪魔なオバサンだな」
出て行ったビアンカ様を目で追う事も無く、ソロちゃんの頭を撫でながら“オバサン”と評して怖い笑みを浮かべる宰相閣下……
「みんな済まなかったな。自分の仕事に戻ってくれ」
優しい口調で皆に先程までの時間が終わった事を伝え、各人に仕事を再開させるウルフ閣下。何時もの彼に戻ったみたいだわ。
部屋の空気も緩みスタッフ達の心も和らいだ。
ビアンカ様を追い出した形になってるエヴァンだけは、葬式に参列してる様な表情だけど……
ソロちゃんを抱っこすればエヴァンも落ち着くかな?
「いやぁ〜ウルフ閣下。ビアンカ様にあんな事言うなんて……拙いんじゃないですか?」
エヴァンは別だが、雰囲気が緩んだ事で前国務大臣秘書官だったラウルが、先程のウルフ閣下の言葉に苦言を臭わせた。
「何か拙い事言ったかね?」
だがウルフ閣下からの返答に室内の全員(ソロちゃんは覗く)の目が点になる。
本当に解ってないのだろうか? いや、そんな訳ないわ!
「“年増女”に『年増女』と言って何が悪い? “オバサン”の事を『オバサン』と評して問題あるか?」
ほらやっぱり……解ってて言ってるわ。
ラウルも眉を顰めてる。
「そんな事ばかり言って……陛下に言い付けますよ」
「……………あ゛!?」
ラウルは緩くなった場の空気に乗っかり笑いを取れる話題を振ったつもりなのだろうが、ウルフ閣下からは不機嫌な声での返答……
何だか拙い雰囲気だわ。
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