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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第69話:プレッシャースタディ
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悪な悪魔が我々の胃を溶かし尽くそうと画策する中、ついに我等が上司……ウルフ宰相閣下が戻ってきた。
ここからは見えないが扉の外にはソロちゃんが居り、入室希望を顔いっぱいに滲ませウルフ閣下を見上げているのだろう。
しかし今はそれどころじゃないのですよ!
閣下……あぁ閣下。早くご自身の席に戻って、この重苦しい空気を何とかしてください。
「!」
私の祈りが通じたのか、ご自身の執務机に視線を移したウルフ閣下の顔に、驚きの表情が見えた。そりゃそうでしょうとも……普段来る事の無いビアンカ様が、不機嫌な表情で自分の椅子に座ってるのですから。
「ふっ……」
しかし、閣下は直ぐにビアンカ様が居る理由を聞く事も無く、ニヒルな笑みを浮かべ余裕の態度で自分の執務机に近付く。
いやいや……余裕ぶっこいてないで、ビアンカ様の機嫌を良くして差し上げなさいよ!
だが私の思いは通じず、執務机の正面から椅子がある方へ回り込むと……
「ちょっと退いてくれませんか。俺これから仕事するんで……邪魔しないで下さい」
と、ビアンカ様を見下ろしながらブッ飛んだ事を言い出した。
「……………」(ガタン!)
言われたビアンカ様は、更なる不機嫌オーラを発しながら勢いよく立ち上がり、席を譲って閣下の執務机の正面に回り込む。
ウルフ閣下の物言いで更に不機嫌さを増したビアンカ様は、両手を腰に当て対象者を睨み下ろす様に立ち尽くす。
だがしかし我等が上司ウルフ宰相閣下は、ビアンカ様がこの場に居る理由を聞く事も無く、不機嫌さを宥める事も無く……唯々、目の前の書類に目を下ろし仕事を再開し始めた。
1分……2分……と、重く静かな時間が経過する。
誰もが尋常ならざる状況に置かれている中、ウルフ閣下だけが平然と通常業務を熟して行く。
お願いしますウルフ閣下……ビアンカ様に用件を聞いて下さい! そして、この拷問の様な時間を終わらせて下さい!!
「ウルフ君……無視するの止めてくれる」
私達以上に、この状況に堪えられたくなった様子のビアンカ様が、静寂を打ち破りウルフ閣下に話しかける。
「無視してないっすよ。
先刻
(
さっき
)
『邪魔だ』と言ったでしょ」
言った。確かに言ったわ……でも言っちゃダメ!!
「あのね、私は貴方に用件があって来たのよ!」
「でしょうね。……って事は、用件があるのは
そっち
(
ビアンカさん
)
であって、俺じゃ無いでしょう。無視してる訳では無く、そちら待ちですよ。さっさと用件を言って下さい」
嫌ー!! 何なの……何でアンタ、そんなに攻撃的なの!?
「ぐっ……あ、貴方が何かを企んでて、リュカがそれの全容を把握出来なくて悩んでるの! リュカを困らせるのを止めなさいよ!」
そ、そんな事が起こってるの!? 一体何を考えてるのよアンタ!
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