暁 〜小説投稿サイト〜
『残骸』
『輝き』

[8]前話 [2]次話


いつだったか2人で写真にハマったね。
とにかく綺麗なものを探しては見つけたよね。
其れを残そうとしたんだ。

夕暮れ時の瀬戸内海に浮かび揺れる橙。
里芋の大きな葉に残ったキラリ光る雨粒。
笑顔が溢れる嘘の無い幸せな家族達。
波打ち際に在るピンクやセルリアンブルーの丸くなったガラスの破片。
幼き子の澱みのない無垢で美しい笑い声。

永遠に変らないもの。
此の苦しみ。
輝き在る綺麗なもの。
手に入らない。

物語の様に魔法使いに出逢えたなら何を望む?
君は『管理される側から逃れたい』と言った。
僕は『何が1番の望みか解らない』と言った。

人生という永く永い時間の中。
『生きてくことは学ぶこと』
誰かがそう言っていた。
違うだろう。
『生きてくことは死より深い苦しみに耐えること』
僕はそう捉えている。

綺麗なものが見たい。
汚いものは見飽きたから。



[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ