sts 33 「心の中で」
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ずかな隙を見つけて半ば強引にアインスを上空へと跳ね上げる。分離させていたブレイドビッドをファラに再び合体させながらアインスを追いかけ、渾身の一撃を与えるために肩越しで何度も回して遠心力を付ける。蓄えられたエネルギーを殺さないように肩に担ぐ軌道に変え一気に振り抜く。
「……はあッ!」
「――っ!?」
アインスの表情が驚愕染まる。それは渾身の一撃を受け止めようとガードを固めた瞬間、こちらの剣の刀身が分離して散らばったからだ。
無論、これまでの戦闘による反動で連結が外れたわけではない。俺が意図的に合体していた5本のブレイドビッドをアインスを取り囲むような位置目掛けて分離させたのだ。
「これで――」
ファラをフルドライブ状態へ移行しカートリッジを3発リロード、それと同時にセイも最大稼働で俺の肉体強化を行う。爆発的に発生した魔力を全て刀身に集束させつつ高速魔法に全て注ぎ込んで加速し、アインスへ一太刀浴びせる。これまでの速度を遥かに凌駕した一撃は、アインスでさえガードが遅れるほどだ。
アインスを横を抜けるように一撃を浴びせた俺は、空中を漂っていたブレイドビッドを手に取ると体の向きを変えて再度加速。同じように横を抜けるようにしながら今度は左右の剣を用いて超高速の斬撃を浴びせる。そのあとは手に持つブレイドビッドを合体させ、まだ空中に存在するブレイドビッドを手に取る。
大剣を分離させ、分離させたブレイドビッドを回収しながら超高速で斬撃を浴びせる。大剣になるまでその動作を繰り返し、最後は大剣による最大の一撃を叩き込む27連撃。俺のリミットブレイクに当たる技であり、名は《ジ・アルテマ》。
超高速の加速と制止によって体は悲鳴を上げるが、最後の一撃を放つまで止まるわけにはいかない。アインスを解放するためにも!
異常な速度で駆け回りながら浴びせられる斬撃にアインスもガードが間に合わないようになり、次々と必殺の斬撃を浴びせられる。
「――決める!」
大剣状態に戻ったファラの刀身に高密度の魔力を纏わせる。この魔力の密度はフェイトの使うザンバーの魔力刃でさえ楽々打ち砕くほどだ。彼女がリミットブレイクを用いた場合は対等に等しくなるが。
最上段からの渾身の一撃。
それはアインスの体に吸い込まれるように叩き込まれた。彼女の中の何かがひび割れるような感覚を感じ、俺はさらに力を込める。
すると現実には一瞬にも等しい長い時間の後、何かは完全に破壊された。同時にアインスの体も断ち切られた。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……ッ!?」
全身を駆け巡る痛みに危うくファラを落としそうになるが、左腕で特に痛む右腕を押さえることでどうにかそれに耐える。
――やはり……簡単に使える技じゃないな。
俺の体もそうだがファラに
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