sts 33 「心の中で」
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魔法を昇華させるために使ってるものがほとんどだ。
それにアインスに言ったところであの人の事は伝わらないだろう。俺の太刀筋にシグナムを感じたのならば、他にも師が居ることに気づきそうでもあるが。
俺は距離が開いたこともあって左手に持っていたブレイドビッドをファラに合体させ、再び同じタイプのブレイドビッドを引き抜く。
「ふふ、シグナムが師か……主や君達と出会えたことは本当に喜ばしいことだ。出来ることなら傍で見ておきたかったが……」
「そう簡単にお前を倒せるとは思っちゃいない。お前を倒すまでに……お前の知らないこれまでのことを教えてやる!」
再度2つの高速魔法を使って接近戦を始める。しかし、先ほどとは違い主導権は握れていない。
一度見ただけでこちらの動きにアジャストしてくるあたり、さすがはアインスと言ったところだろう。とはいえ、こちらが劣勢に立たされているわけでもない。
雷光の斬撃と疾風の拳打。並みの騎士では割って入るどころか、目にさえ見えていない一進一退の攻防が俺達の間では続く。
「少年、君は私のことを何度もアインスと呼んでいるが……主に頂いた祝福の風の名を受け継ぐ者は生まれたのか?」
「ああ。八神家の末っ子としてみんなに可愛がられているよ。それでいてみんなのために頑張ろうと局員としての仕事も頑張ってるさ。今はシグナムと一緒だからここにはいないがな」
「そうか。騎士達はあれからどうなった?」
「はやてと一緒にこれまでの罪を償うために人々を救ってきた。最初は色々とあったようだが、今では立派な局員として認められてる。特にヴィータはあいつらの中で最も成長した」
「主は?」
「はやては……辛いことや悲しいことから目を背けず、自分自身の夢を見つけたよ。その夢の第一歩として踏み出せた証が今俺が所属している部隊だ。その部隊の隊長をちゃんとしてる……とは言いにくい部分もあるが、まあ親しみやすい隊長として部下から信頼されてるさ」
嵐のような舞を舞うかのように俺とアインスは空中を移動しながら激しくぶつかり合う。
不思議なことに俺はアインスと刃を交えるごとに、言葉を交わすごとに胸の中から抵抗のようなものは消え失せ高揚感を覚え始めている。これが強者と戦うことで得られる気持ちなのならば、俺にはフェイトやシグナムに感化された部分があるのかもしれない。
アインスも俺と似たように高揚感を覚えているのか、拳を振るうその顔は実に喜々としたものだ。まるで剣を交えている時にシグナムが見せる笑顔のように。
これといった直撃を与えることも与えられることもなく戦いと対話は進んでいく。俺はそんな中どうにか残っていたブレイドビッドを合体し続け、ファラをバスターモードにすることが出来た。
「長剣に短剣、二刀流……そしてその大剣。私も色んな武器
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