sts 33 「心の中で」
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先ほどまでよりも格段に早い動きで放たれた魔力弾を俺は斬り捨てながら前に出る。魔力弾で相殺できないこともなく、10年前と違って魔法戦でも今では引けを取るつもりもない。
しかし、アインスは騎士でありどれだけ成長したのか見たいと口にした。ならばあの日から磨き上げ続けてきた剣で応えるのが道理というものだろう。
高速魔法である《ソニックムーブ》を発動させて加速し一気に懐へ入り込む。アインスのその速さには驚きを隠せていない。
それも当然と言えば当然だろう。かつてはフェイトの動きさえ捉えていたアインスだが、10年の月日でフェイトはさらに速くなった。その彼女と俺は同じ魔法を使用し、また直接高速魔法のレクチャーも受けたのだから。
――出し惜しみするつもりはない。この10年で磨いた全てをアインスにぶつけてやる!
いや、そうしてなければアインスを倒すことなど不可能だろう。何故なら10年前はなのはと二人掛かりでも一撃入れるのが限界だったのだから。あの時はやてが覚醒しなければ俺達は遠くない未来負けていただろう。
「はぁぁぁッ!」
腕の振りやフットワークといった体全体の動きを加速する魔法《ブリッツアクション》を発動させ、左右の剣を連続で振るう。その速度はかつて相対したときよりも格段に早く雷光にも等しいだろう。
主導権を握られたアインスは反撃する機会を見つけられないどころか防戦一方を余儀なくされ、徐々にだが体勢を崩されていく。
――……ここだ!
連続攻撃によってわずかに生じたガードの隙間。それを崩すべく俺はカートリッジを1発リロードし、爆発的に高まった魔力を炎熱を変換する。
「紫電……一閃ッ!」
フェイト仕込みの超加速かつシグナム仕込みの炎熱斬撃。雷光の速さで振るわれた灼熱の刃はアインスの腕を弾き上げる。だがここで終わりではない。
俺は左手に持っていた長剣をすかさず逆手に持ち替えると、右手の剣と同様に魔力を纏わせて炎へと変える。俺はひとりで強くなれたわけじゃない。みんなが居てくれたからこそ強くなれたんだ……
「――双牙!」
再度繰り出した《紫電一閃》がアインスの横腹を捉える。10年前とはいえ破格の威力を持っていたなのはの砲撃を受けてもアインスはほとんどダメージがなかった。故にそこまでのダメージは期待できないだろう。
しかし、10年前の俺では一撃さえ入れることができなかったのだ。だが今の一撃は他の魔導師の協力を得ることなく入れることが出来た。これは大きな意味を持つ。
「……君の太刀筋にシグナムの影が見えていたが、まさかその技を伝授されているとは」
「まああいつは俺の剣の師匠だからな」
シグナムの他にも剣術を教えてくれた人は居るのだが、あちらの方は俺に染み付いた剣術があったこともあって技や
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