第三百七十五話
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第三百七十五話 あの国で
華奈子はテレビを見てだ、美奈子に呆れた顔で言った。
「博士また暴れてるわよ」
「何処でなの?」
「将軍様の国でよ」
「ああ、またなの」
「そう、またよ」
こう言うのだった。
「暴れてるのよ」
「博士あの国嫌いよね」
「そうよね、何かいつもね」
「ロボットとか浸かって暴れてるけれど」
「何か今回は要塞を動かして」
華奈子はテレビの映像の中で派手に暴れ回っている博士を見ていた、正確に言うと博士が乗って操縦している要塞が暴れている姿をだ。
「将軍様の銅像壊してる」
「ああ、あの」
将軍様の銅像と聞いてだ、美奈子も理解した。
そのうえでだ、冷蔵庫の中から牛乳を取り出していた。
「あの国の名物の」
「変にでかいあれね」
「あれ壊してるの」
「あと凱旋門とか塔とか」
その国にある建造物を気の赴くままにだ。
「壊して回ってるわ」
「いつも通り」
「そう、いつも通りね」
「何かね」
冷蔵庫の中から出した牛乳をガラスのコップに入れつつ言った。
「博士のいつもの暴れ方なら」
「もうそれならって感じ?」
「あの国の体制よね」
美奈子は小学生なのでまだ政治のことは知らない、頭がいい彼女だがそこまでの知識はまだ備わっていないのだ。
「それが壊れるのならね」
「いいのね」
「博士一般市民は攻撃しないから」
このことは博士のポリシーだ、興味がないからだ。
「悪い独裁者とかを攻撃してるから」
「いいのね」
「博士は滅茶苦茶な人だけれど」
世界で最もそうした人物である。
「その辺りは好き嫌いでもしっかりしてるから」
「いいのね」
「私的にはね、まあ博士が暴れてるなら」
それならというのだ。
「日本でないならね」
「いいのね」
「そういうことよ」
「ドライ?」
「というかいつもだから」
博士がその国を気の赴くまま攻撃することはというのだ、もう慣れているという感じのままの美奈子だった。
第三百七十五話 完
2016・9・8
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