417部分:第五十七話 遺跡の中でその七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第五十七話 遺跡の中でその七
「ギリシアのものとはまた違ってな」
「これもまた」
皆そのトウモロコシやジャガイモを食べても話す。やはりそういったものの味もよかったのだ。
「そういえばアメリカ大陸が本場だったよな」
「ああ、ジャガイモやトウモロコシはな」
シフォンとカービルがここでまた話す。
「それ考えたら美味いのも当たり前か?」
「本場だからか」
「少なくとも美味いのは間違いないな」
「そうだな」
カペラとシリウスもそれは素直に認めるのだった。そうしてそのうえで料理を次々に食べていくのだった。そしてその中で彼等はあることに気付いたのだった。
「このバターは」
「牛のものではないな」
「そうだな」
このことに気付いたのだった。
「この味は」
「山羊か!?」
「それか」
「そのようだな」
食べてみて味わってわかったことだった。トウモロコシやジャガイモの上に乗せているそのバターは牛のものではなく山羊のものであったのだ。
「そうか。高山だからか」
「それでか」
これでわかったのだった。
「高山だと山羊の方が飼育し易いからな」
「それでだな」
「癖はあるがだ」
ミロは黙々と食べている。その中で彼は話すのだった。
「いいものだな。山羊のものもな」
「ええ、確かに」
「それは」
六人はミロのその言葉に頷く。実際に食べてみてそれは中々以上にいいものだった。質素だがそれでいて充実した御馳走になっていた。
「さて、お勘定は」
「どの位かな」
瞬く間にその二十人前を七人で食べ終えてしまった。客達もそれを見て驚きを隠せなかった。それはおかみや親父も同じであった。
「おいおい、食べちまったよ」
「二十人前をよ」
「この店って一人前も相当多いんだけれどな」
「いや、大したもんだよ」
「全くだよ」
実際におかみも親父も厨房から呆れたような、それでいて嬉しそうな顔で七人に告げるのだった。
「本当にね」
「そこまで食えるなんてね」
「だから身体が資本だからさ」
「食わないとやっていけないからさ」
アクタイオンとジャッカーがまた彼等に話すのだった。
「いや、それでさ」
「お勘定は?」
「ああ、これだけだよ」
おかみがすぐにオーダーに書いていたそれを出すのだった。見ればその勘定は。
「これだけか」
「安いですね」
「そうですね」
ミロと白銀の二人はその勘定を見てそれぞれ言うのだった。
「ペルーは物価が安いと聞いていたが」
「それでもこれだけの値段は」
「あれだけ飲み食いしたのに」
「ええ、そうなんですよ」
「ペルーはギリシアよりも食い物安いんですよ」
アクタイオンとジャッカーはここでも二人に話した。
「それでこれだけ飲み食いしてもなんですよ」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ