第1話
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ンピオーネ、アレクサンドル・ガスコインが居らず、代わりにズェピアが居るのか?
別にアレクサンドルとて最初から居なかった訳では無い。端的に言えば挑んで速攻で負けて吹っ飛ばされたのである。
雷は二頭の巨大猪には大した効果を得られず、迷宮に押し込めても猪が大き過ぎる所為で直ぐにぶち破られ、黒球は猪よりも小さい所為で大した足止めも出来ずに弾け飛び、数の暴力によって直ぐに顔を見られ、復讐フィールドを出現させる一瞬の隙を突かれて突進突き上げで遥か彼方へとブッ飛ばされた。
それを間近で見ていたのが先に挙げた十の魔導組織。其処から彼等彼女等の行動は早かった。
五人目が五分と持たずに一蹴された事から六人目と七人目では敵わぬと踏み、かと言って問題児過ぎる第二世代の三人に頼むと被害が大きくなる。それ以前に二人目は魔獣には興が向かないと断られ、三人目はまず依頼を出す事自体が困難。四人目に至っては所在から不明である。それ故に、最古参の一人目に白羽の矢が立ち、手が空いている者全員でズェピアへの依頼番号を調べ、特定し次第依頼をした次第である。
その依頼を受け、それを了承してズェピアは此処に居る。理由は幾つかあるが、大半を占めるのが『暇だったから』である。
『……ふむ。取り敢えず周囲の島に被害が行かなければ良いらしいが……カンピオーネに依頼しておいてその条件は無理があるだろうに。それも相手が相手だし、致し方なし』
何が致し方なしなのかは置いておくが、この時点でデヴォン島の半壊は免れぬ事象として確定してしまったのである。
『――で、猪共をゴキブリと勘違いして反射的に星降らせてしまった訳だが……』
そう言って空を見上げるズェピア。視線の先に映るのは、彼方より迫り来る星。数は百。その一発一発に込められている魔力量は、一流の呪術師百万人分の魔力を全員が死ぬ迄搾り取って漸く一発分と言った所。他のカンピオーネが同じモノを作ろうとすれば、恐らく五発も作れば呪力がスッカラカンになるだろう。
『……流石にコレは地に落ちれば地球が壊れるなぁ……流石にやり過ぎか……』
言うや否や、虚空に手を伸ばすズェピア。そして魔力、呪力、気の三つを練り上げて言霊を紡ぐ。
『我が武力。天上天下に於いて無双。如何なる生命、如何なる事象。我が無慈悲なる一撃を耐える事叶わず。――――――軍神五兵』
そして言霊を紡ぎ終えたズェピアの右手に、2m程の大きさの方天画戟の様な得物が握られていた。
ズェピアはソレを慣れた手つきで一頻り振り回し、砲のような形状へと分解・再構築してい
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