EPISODE05勇者W
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殊装甲服を装着して、凱は戦闘態勢となるのだ。単なる外着装備ではなく、凱の神経及び身体能力の強化をも促してくれる。
「ほう」とハンニバルはニヤリと感心を示し――
「やはり」とヒューゴーは涼しいカオで納得し――
「わぁぁぁお!」とアリアは大いにはしゃいじゃって――
「なななななんだガイ!それは!」と、セシリーは釘付けになった――
このあとヒューゴー、ハンニバル、アリア、そしてセシリーは、凱の装着したIDアーマーについて根ほり葉ほり聞いてきた。
同時に、凱はIDアーマーの蓄積情報を把握、黄金の鎧に秘められた新たな力を理解する。Gストーンと生機融合を果たした彼ならではの能力だ。
先日、魔剣アリア初使用にも関わらず、自在に風を使いこなせたのは、このエヴォリュダー能力が起因している。特殊物質である魔剣と神経接続を行う事で、魔剣の情報がフィードバックされるのだ。
このIDアーマーは、ただの保護防具ではなく、常人を上回る凱の神経強化をも行ってくれる。
IDアーマー固定装備のウィルナイフ、ひびわれたウィルナイフを含めて、2刀装備できる。
勇者王の力を再現するブロウクンマグナムにプロテクトシェード、膝プレートに入力されたドリルニー、電離現象捕縛のプラズマホールド。
外観は従来のIDアーマーと同じだろう。ただ、左腕にあるガオーブレスを除けば。
「ふう」と凱は一息つくと、四肢を保護する黄金の各部が、百獣の王を模した左腕に集約する。
「なるほど、それが本来の姿なのですね」
そうヒューゴーが納得したように言った。
要するに、ガオーブレスからなら、いつでもIDアーマーを取り出し可能という事だ。
おそらく、この大陸の人間にとって全く未知な、そして理解に到達できないだろうと、そう考えてしまう。こいつが「競り」に出されると思うと、なんだか複雑な気にもなってくる。
客にオークションとして出すのはいいが、使うことができなければ、何だか詐欺に近い。
「風の魔剣と黄金の鎧の実演を頼んだぞ、お前達」
「俺が!?」凱が。「私が!?」セシリーが。
そうハンニバルに言われ、凱とセシリーはぎょっとした。
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「それが、どうしてウチに来ることに繋がるんだ?」.
刀鍛冶ルーク=エインズワースは不機嫌オーラ全開で言った。
もっともなツッコミに、セシリーに同行している凱もまた、あははと苦笑いを浮かべる。
「競り」まであと数日。
実演販売する為に、いきなり抜擢された三番街自衛騎士団の二名は、とりあえず「競り」が来るまで、日常業務をこなしていた。都市の治安を維持する職務が、どうして工房リーザに至るのか、確かに理解は難しい。
「なんだルーク、言いたい事があるならは
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